ベテランの執念 鳥谷&福留で同点劇
「阪神3-2中日」(19日、甲子園球場)
阪神の劇的勝利の下地を作ったのはベテラン2人だ。2点を追う六回、2死二塁から3番・鳥谷、4番・福留が連続タイムリー。天敵若松をワンチャンスで攻略し、試合を振り出しに戻した。
まずは鳥谷だ。若松が武器にする121キロチェンジアップを右前適時打。福留が初球134キロを中越え打で続いた。一走・鳥谷の長駆生還を見届けると二塁ベース上で右拳を突き上げた。
鳥谷が「ずっと抑えられていた展開だったので、何とか1本打ちたいという気持ちでした」と振り返れば、福留は「打てる球がきたらどんどんいこうと思った。トリ(鳥谷)がよく走ってくれた」とキャプテンの激走に感謝した。
若松には昨季2戦2敗、計13回無得点と大苦戦。この日も五回終了まで散発2安打だった。六回の攻撃前に一塁ベンチ前で円陣を組み、片岡打撃コーチが攻略法を再確認。「このままやられ続けるわけにはいかない」という福留が鳥谷とともに意地を見せた。
試合後の金本監督は「若い選手ばかり目立っていますけど『まだいるんだ』という存在感を示してくれたタイムリーだったので勝ちにつなげたかった」と2人の仕事を評価。ベテランの勝負強さと若手の勢いがかみ合えば、貯金はどんどん増えていく。