田面見せた育成魂 初登板で1回0封 

 「阪神3-2中日」(19日、甲子園球場)

 目指してきたプロ初登板は、想定外の場面で巡ってきた。同点の八回。阪神・田面が先輩を差し置いて、3番手に指名された。「もう少し点差があるところかなと思っていたけど…」。ただ、これまで苦しんだ過程を考えれば、最高の舞台設定。期待を意気に感じ、全力で腕を振った。

 甲子園でのデビュー登板で1回1安打無失点。プロ初ホールドも記録。大歓声の中、一塁ベンチに戻る表情はすがすがしかった。

 「緊張もあったけど、思ったほどではなかった。味わったことがない感じだったけど、しっかり試合に入り込めて楽しめた。ああいうところで投げさせてくれた監督、コーチに感謝したい」

 1軍で初めて立った甲子園のマウンド。視線の先には、自身と同じく支配下選手として入団しながら育成選手となり、再び支配下登録された原口がいた。「ファームでも組んでいたので」。落ち着いて投球に集中できた。

 先頭の堂上はこの日、最速146キロの内角直球で一ゴロ。「初球の1球で1アウトを取れたのは大きかった」。その後、2死二塁では代打・野本を内角直球で空振り三振に仕留めた。

 この瞬間、一塁ベンチでは金本監督がガッツポーズ。「自然と出ました。ナイスボールでした」。田面の起用は、首脳陣にとっても勝負を懸けた采配だった。「俺も焦った(笑)。まさかあの場面で僕も勇気がいりましたけど。僕も最初、え?と思いましたけど、香田さんも矢野も思い切って使っていこうということなんで」。新星の活躍に口はなめらかだった。

 田面にとっては大きな自信となった。藤浪、北條らと同期入団の4年目。2軍ですら結果を出せず、14年オフには育成選手となった。それでも4月15日に支配下に再登録されると、11日に初の1軍昇格。迎えた初登板でも持ち味を出し切った。

 「ここまで長かった。次が大切になる。これからしっかりやっていきたい」。ようやく踏み出した第一歩。もう後戻りはしない。

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