大和が劇勝呼んだ!同点打&千金二塁打
「阪神4-3広島」(21日、甲子園球場)
一目散に駆け寄った。2試合ぶりにスタメン復帰した阪神・大和が2安打をマーク。サヨナラの本塁を踏んだ瞬間、ヒーロー・高山の元へダッシュし、満面の笑みを見せた。
同点に追いつかれた嫌なムードを払拭(ふっしょく)した。先頭で迎えた九回。広島守護神・中崎が投じた最速147キロの直球を2度ファウルでしのぎ、カウント1-2。打者不利な状況だったが、5球目の124キロ変化球を捉えた。打球は左中間フェンスを直撃。二塁へと達した。
長打性の当たりにも「あそこ止まりでしょ」と苦笑。甲子園初アーチとはならなかったが、高山のサヨナラ打を呼び込んだ。この一打を金本監督は「1年通して、ずっといいということはない。そういう意味で昨日休ませて、そのおかげかどうか分からないけど、最終回にいい二塁打を打ってくれた」と称賛した。
七回は一時勝ち越しとなる適時打を放った。「ストライクゾーンを打ちに行こうと思っていました」。カウント1-0、永川の137キロをはじき返した。会心の当たりではなかったが、三遊間を抜けて左前へ。13日・DeNA戦(横浜)以来のマルチ安打とした。
結果がほしかった。三回は併殺打に倒れ、五回はバント失敗。「2、3打席目にチームの流れを悪くしていたので」。汚名返上に燃えていた。
守備では四回1死一塁、小窪の右前へ抜けようかという打球を好捕。投げた先は一塁ではなく、二塁だった。「(一走)エルドレッドのリードが小さかったので」と冷静に見極め、二塁で封殺した。
同じ二塁を守る広島の名手・菊池について「異次元のプレーですよ。送球といい、キャッチングといい」と大和。ゴールデングラブを争うライバルだ。尊敬はしつつも、負けてはいられない。
好守にわたって活躍した背番号0。2試合ぶりの勝利には、その奮闘が不可欠だった。