「阪神５－１０広島」（２２日、甲子園球場）

　幸先良く先制しても、一気呵成（かせい）の流れとはいかない。敗因は今季３度目の２桁失点だけじゃない。１２安打５得点の打線に、もどかしさが残った。もっと点を取れたはず。阪神・金本知憲監督には、そんな思いがあった。

　「助けすぎよね。ストライク取るのに四苦八苦しているところで、どれだけ助けたか。ボール球を振って」

　見極めきれなかったボール球。自滅しかけの広島投手陣に、救いの手を差し伸べたように映った。２得点した三回も、計５四球あった中で高山の適時打と北條の押し出し四球による２点止まりに。高山は適時打後の無死一、三塁の状況で、一塁から飛び出す形で挟殺となったが、そのミスだけが問題ではない。

　「ルーキーだから状況を読めというのも厳しいし。あのけん制（アウト）も、行こう行こうという気が先行して。でもルーキーだから。それ以外はやっぱり…もっとフォアボールを選べたはず。普通にやってればね。助けすぎだね、あれは」

　“それ以外”の中堅やベテラン。ヘイグは六回無死一塁と八回無死一、二塁でいずれも空振り三振に。「２回ね。本当に…（苦笑）カープのピッチャーも助けられたと思ってるんじゃないか」。ゴメスは２四球を含む３打数無安打。鳥谷は２三振で４打数１安打。主軸の奮起があれば…という展開でもあった。

　もちろん、ミスは指摘しても選手に責任を背負わせない。三回１死満塁でメッセンジャーに打たせた場面（結果は投ゴロ）を「結果的にそこが一番ね、僕の判断ミスでしょ。代打送らずに続投させてその裏に打たれて」と反省。貯金を増やせず勝率は５割ジャスト。弾みを付けられないまま、２４日から東京、仙台と続くビジター９試合に挑む形となった。