金本監督、横山にゲキ!恐れずに攻めろ
「ヤクルト9-8阪神」(25日、神宮球場)
今季4度目のサヨナラ負け。失策や、あと一打が出なかった場面もあったが、阪神・金本知憲監督(48)が残念がったのは、先発の横山雄哉投手(22)がバレンティンに食らった2発。捕手の要求通りに内角に投げ切れていれば…。「ボールになってもいいくらい、ぶつけてもいいくらいの感じで…」。発展途上の若虎に恐れず攻める気持ちを求めた。
金本監督は3回6失点の横山に敗戦の責任を負わせなかった。ただ、もどかしさだけは口をついて出た。試合後、囲み会見を行う三塁側ロッカールームの液晶テレビにVTRが流れていた。2年目左腕がバレンティンに浴びた2本のバックスクリーン弾をしばらく見つめながら、「やられ方が同じ…。インサイドに構えているのに投げきれずに真ん中へいって打たれた2本だから。もったいないよね」と残念がった。
前夜「とにかくミスが多すぎる」と嘆いた指揮官の眉は、この夜も早々とつり上がった。横山の立ち上がり。初回、1死二塁で山田の三塁正面へのゴロをヘイグがトンネルし、やらなくてもいい先制点を献上した。
バレンティンに特大のバックスクリーン弾を浴びたのはその直後。三回に北條の適時二塁打、ゴメスの12号3ランで一時は逆転に成功したものの、その裏再び横山がバレンティンに前打席同様にバックスクリーンへアーチを許し、沸き上がった虎党を一瞬で落胆させた。
「バッテリーの若さ?どうなんだろ…。横山が怖がったのか、それは分からないけど、キャッチャーがインサイドに構えているんだから、あそこはバン!といかないと。ボールになってもいいくらい、ぶつけてもいいくらいの感じで…」
指揮官は横山を3イニングであきらめ、四回から田面を投入した。右腕は安打と四球でピンチを広げると、川端の二塁左へのゴロを北條が追いつきながらファンブル。失策こそつかなかったが、前夜、失策で藤川の足を引っ張った北條に「若いんだから球際で最後の集中力を出さないと」と苦言を呈したばかり。この日の野手陣の拙守については「言ったらキリがないけど…」と、あえて追及はしなかったが、口元はゆがんだ。
「1年通してやっていると、(1試合に)同じ打者に打たれることもあるから…」
横山をはじめ発展途上の若手を起用している以上、一度や二度の失敗で期待感が薄れることはないが、指揮官は願う。攻める気持ちだけは忘れるな、と。