金本監督 マテオ乱調も「他にいない」
「ヤクルト6-5阪神」(26日、神宮球場)
2夜連続の悪夢だ。阪神の守護神マルコス・マテオ投手(32)がまたもや大乱調。九回、2四死球と安打で1死満塁のピンチをつくると、最後は畠山に痛打された。2試合連続、今季5度目のサヨナラ負けで、2カード連続の負け越し。借金1で4位に転落した。不安定な救援陣に頭を悩ませる金本知憲監督(48)。早急に立て直さないと、ズルズルと行きかねない状況になってきた。
祈りは届かない。飛び込んだ鳥谷のグラブから逃げるように、無情の打球が中前に抜ける。1死満塁から、悪夢の2夜連続のサヨナラ負け。不調のマテオが九回を守りきれずに、最悪の結末で借金生活突入だ。
「(先頭を)歩かせたくなかった。あれが痛かった」
わずかに言葉を残した右腕は、足早にクラブハウスに消えた。期待を裏切った同点の九回。先頭の坂口に四球と山田の左前打で一、二塁に。続くバレンティンには初球で死球を与えると、両軍ベンチから選手らが飛び出し、あわや乱闘の騒ぎに。乱調が招いた無死満塁から1死を奪ったものの、最後は畠山に痛恨の一打を許した。
これで、15日のDeNA戦から自身5試合連続失点に。24日のヤクルト戦(神宮)でも、セーブを挙げながらも2安打1四球で1点を失っていた。守護神として期待されながらも、不調から脱しきれない状態だ。金本監督は「他にいないじゃん」と話した上で、不安の目を向けた。
「良かったのはオープン戦と開幕当初くらい、それ以来投げ方はずっと良くないよね。しょうがないよ。彼しかいないんだから、今は…。球児も昨日の球数とかを考えると…」
前日は同じ同点の九回に藤川を投入してサヨナラ負け。この日はマテオだ。「(スライダーも)開幕当初のキレがまったくないよね。(原因は)フォームでしょ。肩の開きとか、肘の使い方とか…みたいだけどね。聞くところによると」。不調を把握した上で、期待を込めて送り出した。結果につながらない現状がもどかしい。
この日は9安打だったものの、前日まで5試合連続で2桁安打を記録。上向いてきた打線はチームにとって明るい材料だが、中継ぎの継投が思うようにはまらないことが不安材料となっている。
香田投手コーチは「(マテオは)勝負を左右するところで投げてもらわないといけないピッチャー」と、余裕のある場面での登板は否定。27日からは巨人3連戦。不安を抱えたまま、伝統の一戦を迎える形となった。