福留が好機演出!菅野キラーの本領発揮
「巨人0-1阪神」(27日、東京ドーム)
虎の子の1点はベテランのバットが突破口を切り開いた。一回、1死から板山が四球で出塁。阪神の3番・福留孝介外野手は菅野が投じた初球147キロを左前に運んでチャンス拡大。続くゴメスの内野安打に敵失が絡んで先制し、これが決勝点となった。
日本球界を代表する好投手を相手に基本に立ち返った。四球の後の初球を積極的にスイングし、そして捉えた。「あれだけいいピッチャーなので、こちらが受け身になっていても後手に回るし、自分の方から攻めていくつもりでいったのが結果的によかった」と冷静に振り返った。
今季の菅野は防御率0点台と抜群の安定感を誇るが、福留は苦にしていない。この日の1本を含めて、通算対戦成績は35打数14安打1本塁打3打点で打率・400。「『打てない』と思って立つより、『打てる、打てる』と思って立つ方が気持ちの分ではいいと思う」と、打席では常に心理的に優位に立てているのが好相性の要因の一つだ。
最終回には守備でも魅せた。先頭クルーズの右翼前方への飛球に対し、猛チャージをかけてノーバウンド捕球。「あれだけサダ(岩貞)がリズムよく投げているから、守る方としても守りやすい。九回で特に集中しているし、そんなに難しいことではない」と涼しい表情。左太もも裏痛の不安を感じさせない守りに「試合に出ている以上、それは関係ない」と言い切る。
攻守で岩貞のプロ初完封をアシストし、チームの勝率5割復帰に貢献した背番号8は「今日はサダがすばらしいピッチングをしたし、それをチーム全体でまた明日につなげられるようにしたい」と力を込めた。大きな節目の日米通算2000安打まで残り24としている39歳のベテランが金本阪神を支えている。