阪神、鳴尾浜に代わる新球場建設へ

 鳴尾浜球場
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 阪神が新スタジアム建設に向けた調査を開始していたことが30日、明らかになった。鳴尾浜球場に代わる新施設や球団アカデミーの開校など、兵庫県内に新たな「タイガースタウン」を創設するという壮大なプロジェクトの実現へ、昨秋から水面下で検討を始めた。4月に球団幹部ら調査チームが福岡県筑後市にオープンしたソフトバンクの新球場を視察するなど、今夏の中間報告を目指し、研究・調査を進めている。

 阪神が壮大なプロジェクトの立ち上げに向け調査を開始していた。研究段階とはいえ、鳴尾浜球場に代わる新スタジアム建設をはじめ、阪神アカデミーの開校など、地域に根ざした大規模な「タイガースタウン」の完成を5年以内に実現するという、球団悲願への挑戦が始まっている。

 30日、同案に関わる球団幹部の1人が「既に調査を進めています」と明かした。昨秋、電鉄本社で坂井オーナーの承諾を得て、プロジェクトの具現化に向けたリサーチがスタート。総工費を概算し、多角的な視野で検討を行っている。

 4月中旬に高野球団本部長ら調査チームが福岡・筑後にオープンしたソフトバンクの新施設「HAWKSベースボールパーク筑後」を視察。さらに川崎市の巨人2軍施設「ジャイアンツ球場」にも足を運び、他球団に先駆けて3軍制を敷く両球団のシステムに着目した。積極強化をはかる育成部門の整備も一大プロジェクトの議題に挙がっており、ハード&ソフト両面で他球団から学ぶべき点は多く、検証を続けていく。

 新スタジアムの候補地はまだ白紙だという。プロジェクトを推進する幹部によれば、あらかじめ敷地面積を限定するのではなく全容を描いたうえで、そのスケールに見合った建設地を探すのが理想。甲子園に近い立地を優先すれば鳴尾浜が最適であることは間違いないが、別の幹部は「やるなら中途半端なものにしたくないという思いはある」と話した。

 鳴尾浜球場は収容人数が500人と狭く、今季は掛布人気の影響もあり、休日は観客が場外にあふれ出ることもある。併設の室内練習場もマシン打撃のケージがわずか2カ所。他球団の2軍施設を見渡しても手狭な感は否めず、旧態のまま放置すれば、「超変革」をスローガンに若手育成に主眼を置く球団の理念にも逆行する。

 同プロジェクトの目玉として主に小中学生を対象にした阪神アカデミーの開校がある。球団は社会貢献活動としてタイガースOBによる野球教室を開催するなど振興活動を行うが、アカデミー施設を常設することで地域への還元を活発化させたい思いもある。

 野球スクール、さらにはJリーグのような下部組織を実現できれば野球振興のみならず、独自の育成プログラムによるトップチームの強化策にもつながる。交流戦初戦の相手、楽天は球団アカデミーを常設しており、歴史の浅い球団にも見習うべき点は多い。

 伝統球団があらゆる可能性を否定せず、夢のプロジェクト実現に向け、第一歩を踏み出した。今夏にも坂井オーナーに中間報告される見込みだ。

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