金本阪神 惨敗発進も…ズルズルいくな!

 「交流戦、楽天9-1阪神」(31日、コボスタ宮城)

 則本にねじ伏せられ、ミスも相次ぎ、交流戦完敗発進だ。パ・リーグ最下位の楽天にいいところなく敗れた金本知憲監督(48)は選手たちに奮起を促し、「そうじゃないとズルズルいく」と危機感を募らせた。連敗で再び借金1となり、5位に転落。虎よ奮い立て。第2戦は意地でも勝て!!

 八回の守備についたオコエが右肩に乗せたボールをコロコロと手の甲まで転がした。七回にプロ初安打を放ち、楽天ファンの大歓声に応えるように、憎らしいパフォーマンス。仙台で迎えた交流戦の開幕試合で、金本阪神が黄金ルーキーの引き立て役になった。

 奪った得点はリプレー検証でアウトがセーフに覆った六回の1得点のみ。打線は最速150キロ超の則本に10三振を喫し、3安打完投を許した。能見を先発に立てたディフェンスは記録に表れない拙守も絡み、榎田、秋山の中継ぎ陣も崩壊。金本監督にとって東北福祉大時代を過ごした第2の故郷で14被安打9失点と惨々(さんざん)な夜になった。それでも指揮官は冷静な口調で前向きに切り出した。

 「最近、負け試合でも接戦で投手をつぎ込んで中継ぎを酷使させて負けている試合が多かったので、ある意味、きょうはスッキリした負け方だから」

 自ら「仕切り直し」と位置づけた楽天戦。いわゆる“負け試合”として割り切りはしたものの反省点を放置するわけにはいかない。

 「チームとしての課題。150キロ近く投げられたら手も足も出ない、基本的に。今年、ずっとかな…。体のキレとかタイミングとか、バットを短く持つとかコンパクトに振るとか、選手それぞれあると思うから。130キロくらいの投手に対するのと同じタイミングで打って、打てるわけがないのだから」

 五回に高山が岡島の左飛をグラブに当てながら後逸し、七回には今成が中川の三遊間への緩いゴロをはじき(記録はヒット)2者の生還を許した。一線級の投手を攻略できないもどかしさと防げるミスを防げないやるせなさが胸中に混在する。だが、指揮官は自らに言い聞かせるように言った。この夜はもう忘れていい!と。

 「イージーなミスがずっと出ているけれど、きょうはきょうでもういいから、明日から月も変わって、また新たな気持ちで。明日、選手が『絶対に自分がやるんだ。チームを勝たせるんだ』という気持ちでやってくれると思っています」

 2月の沖縄キャンプ中、楽天との練習試合でオコエの打撃センスを絶賛した指揮官だが、この夜の完敗劇では技量に言及する気にはなれない。自軍を見つめ奮起を求めた。

 「自分が塁に出る、しっかり守る、走者をかえす、走塁も1ヒットで絶対に帰ってやるというリードをとる…そういう気持ちがないとズルズルいく…」

 借金は1。金本監督が仙台の夜を正念場とし、号令をかけた。

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