四回だけ猛虎 4連打&高山打で3点
「交流戦、阪神3-12西武」(3日、甲子園球場)
攻撃の見せ場は四回だけだった。5月22日・広島戦以来、12日ぶりとなるホームでの一戦。阪神の2番・北條からの怒濤(どとう)の4連打に甲子園の虎党が沸いた。その中で反撃の1点目を叩き出したのが4番・ゴメスのバットだった。
4点を追うこの回、先頭の北條が中前打、続くヘイグも左前打で無死一、二塁。ゴメスは西武先発・バンヘッケンの初球を積極的にスイング。外角123キロ変化球を捉えて中前に運び、二走・北條を迎え入れた。
「打ったのはフォーク。外角の球をうまく打てたよ」と自身も納得のタイムリー。2戦連続で打点をマークし、今季44打点目。打点46でリーグトップのヤクルト・バレンティンを猛追する。
強引に左翼方向に引っ張ることなく、センター返しで好機を拡大する一打。オマリー打撃コーチ補佐も「フォークをセンター方向。イイネ!」とゴメスの打撃を称賛した。
無死一、三塁から5番・狩野も中前適時打で4連打。1死後、高山の右前適時打で3点目を返し、一時は1点差まで追い上げた。4万3027人の大観衆を喜ばせた。
この日は5月30日に92歳で大往生した球団OBで元監督の後藤次男氏をしのび、スコアボードの球団旗を半旗にし、選手らはユニホームの左肩に喪章を付けて試合に臨んだ。惨敗に終わったが、2年ぶり2度目の打点王を狙うゴメスらの4連打で、天国のクマさんに次戦につながる攻撃を届けた。