“別人”横田で逆襲や!4日先発起用へ
「交流戦、阪神3-12西武」(3日、甲子園球場)
猛虎が沈んでいく様子を、阪神・横田慎太郎外野手は一塁ベンチの最前列から見つめていた。「『これから頑張ろう』と思いました」。4日の相手先発は、ドラ1右腕・多和田(富士大)。2軍再調整を経て、帰ってきた1軍舞台。“第2章”を紡ぐ次代の大砲候補が、スタメンへと名を連ねる。
試合前のフリー打撃。背番号24がケージに入ると金本監督、片岡打撃コーチが食い入るようにそのスイングを見つめた。当てにいくような、単打狙いのような打球は一本もない。右へ左へ、大飛球がスタンドまで到達する。指揮官は「別人だね」と目を丸くした。
「バットの軌道と重心が良くなっている。(2軍に)落としたかいがあった」
30試合で打率・212、3打点。開幕から高山との1、2番コンビでブレークしかけたが、未熟な打撃はすぐしぼんでいった。5月6日に出場選手登録を抹消。待っていたのは、入団時から二人三脚で汗を流してきた掛布2軍監督だった。
愛弟子を見たミスタータイガースは、横田を2軍の4番として起用することを決断。当てにいく打撃をやめさせ、またチームの4番としての責任を感じさせるように促した。「横田の第2章は始まっているんだよ!」。合言葉は「空振りOK」。17試合で打率・317、2本塁打、8打点。フルスイングでたたき出した好成績に、進化の気配が漂う。
「(掛布2軍監督から)『頑張ってこい』と言われました。ファームでやってきたことを出せるように、しっかり振って結果を残せるように頑張ります」
猛虎が4日に相対するレオの右腕は、最速150キロ超を誇る本格派。真っすぐに負けないスイングが強く求められる。金本監督は試合後、横田の起用について言及した。
「(スタメン出場は)あるかもしれんね。これから話し合って決めるけど」
鳴尾浜の日差しを浴び、真っ黒に日焼けした背番号24。がむしゃらな姿がチームに勢いを与える。「規格外」と評される20歳の大器が、聖地を熱狂させる。