福留が猛打賞“休養明け”打率5割だ

 「交流戦、阪神5-1西武」(4日、甲子園球場)

 休んだ翌日はホントに打つんです!阪神・福留孝介外野手(39)が初回に先制打を放つなど3安打猛打賞。試合を欠場した休養日翌日の打率は驚異の5割だ。金本監督は「格の違い。打って当然」と全幅の信頼。チームは9試合ぶり2桁11安打で、苦戦が続くデーゲームに快勝した。

 前夜の惨敗を払しょくしたのは、百戦錬磨のベテランだった。初回無死一、二塁。福留が西武のドラ1右腕・多和田から先制の右前適時打を放ち、流れは一気に猛虎へと傾いた。曇天の空の下、大歓声が背番号8に注がれた。

 「1、2番がつながって、『なんとかして!』と思っていたので。いいところへ飛んでくれて良かったです」

 三回の先頭では中前へはじき返し、高山の左前打で3点目のホームイン。四回には再び右前へ運んだ。5月24日・ヤクルト戦(神宮)以来となる今季3度目の猛打賞。金本監督は「(福留)孝介からすれば格の違いというかね。打って当然という感じがした」と最大級の賛辞。片岡打撃コーチも「真っすぐを捉えられたのは良かったね」と絶賛した。

 3日・西武戦はこれまでの連戦に加え、仙台からの移動を考慮されて休養に充てた。「(首脳陣に)配慮していただいて、その分きょうは集中してゲームに入れたと思います」。今季「休養日明け」の試合は16打数8安打、打率・500、4打点。指揮官らの思いに、全力で応えている。

 この日、チーム全体は練習時間を10分遅らせ、フリー打撃も通常より1人約2分間短縮して行った。「連戦が続いていますし選手としては助かりますね」。自身の体と向き合って最善を尽くし、最高のパフォーマンスを発揮する。プロ18年間で積み上げてきたものが、今に生きている。

 年明けのハワイ自主トレ。今年は母校・PL学園の後輩である緒方を引き連れ、常夏の島へと向かった。2月1日のキャンプインを目指し、プロ野球選手の多くは打撃練習を本格始動するが、福留は違う。「下半身を作ってから」と走り込みに集中し、バットを振ることはない。そんな姿を、緒方は食い入るように見つめていた。

 「全ては開幕にベストの状態を持ってくこと。孝介さんは、3月25日(開幕)から逆算して練習をしていた」

 06年以来、10年ぶりの首位打者を狙う39歳シーズン。体のケアに付き添う権田トレーナーは「試合になると『よし行くぞ!』とスイッチが入る。さすがとしか言いようがない」と評する。ここまで49試合で打率・288、3本塁打、19打点。まだ、高みを目指せる。

 「打者なので『H』が付けば気分が変わってくると思いますし、いい気持ちで切り替えて、明日またできる」

 この日で日米通算1982安打となり、節目まで残り18本。飽くなき探求心が金字塔への道を明るく照らす。日本一への悲願も、福留がカギを握っている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス