原口、球宴投票1位浮上 W偉業達成や
阪神・原口文仁捕手(24)が6日、マツダオールスターゲーム2016(第1戦=7月15日・ヤフオクドーム、第2戦=同16日・横浜スタジアム)のファン投票中間発表で捕手部門1位に立った。このままファン投票で選出されれば球団の生え抜き捕手では78年・田淵幸一以来。育成選手契約の経験がある捕手としては史上初のダブル快挙となる。捕手として苦戦が続く交流戦でも結果を残し、より全国区の選手になって夢の舞台に出場する。
1軍という大舞台の次は、夢舞台が待っている。実力と人気の両方を持ち合わせた超一流選手だけが集まる場所に、幾多の試練を乗り越えた原口が加わろうとしている。
この日の発表では4万5173票。1日の中間発表では2万739票でヤクルト・中村に次ぐ捕手部門2位で、「まだ中間発表なので油断はできないですね(笑)」と、おどけて話していたが、一気に2位に3257票差をつけて逆転した。
4月27日に支配下選手へ再登録されたと同時に、出場選手登録されたばかり。これまで打率・343、5本塁打と大ブレークを果たし、結果を残し続けてファンに大きな衝撃を与えている。
このままファン投票1位で選出されれば、阪神の生え抜き捕手では、78年の田淵幸一以来。同時に育成経験のある捕手では初出場と、ダブルの快挙となる。マークシートにノミネートがない選手としては異例だ。投票は19日までで、残り期間はあとわずか。2つの偉業達成が現実味を帯びてきた。
原口の1軍昇格時、掛布2軍監督は「1人でも準備を怠らない。黙々と練習する姿とかを見ると、誰も文句を言わないだろうね。全ての人が喜んでいると思うよ」と、野球に対してひたむきに取り組む姿勢を絶賛していた。ミスタータイガースを虜(とりこ)にする。全国のプロ野球ファンの前でも力を発揮するはずだ。
球宴出場の可能性に原口は「うれしいですけど」と1日に話したが、「今を頑張ります。それだけです」と続けていた。交流戦に突入してパ・リーグの強打者を相手に、苦悩の日々が続いている。
この日は連戦疲れの体を休ませるため、完全休養に充てた。それでも、7日から始まるロッテとの3連戦に向けて頭は休めない。「(これまで)相当、思い知らされてるので。なんとか抑える手段を考えないといけない」と、配球の組み立て改善に余念はない。
打撃でも交流戦では、20打数3安打。原口にとっては正念場だ。ファン投票1位浮上をきっかけに再度、背番号「94」をアピールする。