金本監督「これが実力」3連敗で借金2
「交流戦、ロッテ8-3阪神」(8日、QVCマリンフィールド)
阪神は3連敗で今季ワーストの借金2となった。毎回のように塁上をにぎわせたが、13残塁の拙攻劇。金本知憲監督(48)は「これが実力」と言い訳せず、潔く敗戦の弁を述べた。勝負弱い打線の中でも、重症なのはマウロ・ゴメス内野手(31)。好機に打てず4打数無安打3三振と大ブレーキだった。チームの浮沈のカギを握る主砲だけに、早く立ち直ってくれ!
わずかに膨らんだ希望も、一打は出ないまま敗戦につながった。6点差で迎えた九回無死満塁の好機で、奪ったのは高山の押し出し四球による1点だけ。今季3度目の3連敗。今季初の借金「2」。現状を示す結果を正面で受け止め、金本監督は淡々と口を開いた。
「チャンスに弱いということ。力がない。(借金2は)別にあまりそこは関係ないけど。これが実力だから」
手も足も出なかった、というわけではない。チャンスは作った。そこで1本が出ず、ルーキーの関谷を打ち崩せないまま計7安打3得点。そして13残塁。これまでなら、経験を欠く若手がブレーキになることが目立ったが、今はそこに4番の不調も重なっているからこそ深刻だ。
「(ゴメスが)ちょっとブレーキやからね。速い球に遅れ、相変わらずボール(球)、ワンバウンドを振って、調子悪いんかね。上がってきてないからね。今はどん底じゃないかな」
苦しい時こそ主軸の一打が欲しい。ただ、この日のゴメスは内容も良くなかった。初回2死一塁で見逃し三振に倒れ、同点の三回1死一、三塁では、追い込まれてから低めの変化球に手を出し、空を切った。九回無死満塁でも、追い込まれてからのフォークで空振り三振に終わった。
現在、本塁打と打点共にチームトップ。前日まで4試合連続安打を記録していたが、この日は体調面を考慮してDH起用に。「野球選手は疲れるのが当たり前」。若手が多いチーム状況。簡単に外せる選手じゃない。信頼もある。9日以降も試合で起用しながら、復調の道を探っていくしかない。
この日は坂井オーナーも観戦したが、期待に応える試合とはいかなかった。「(きっかけを作るのは打線かと問われ)そりゃそうでしょ。ヒットはボチボチ出てるんだから。要はランナーがたまってからの勝負どころだから」と金本監督。計算している4番が下降線の中での借金「2」。苦しくても、ここが踏ん張りどころだ。