金本監督「殻破った」5連敗でも手応え

 「交流戦、日本ハム5-4阪神」(10日、札幌ドーム)

 阪神が今季6回目のサヨナラ負けで5連敗。1点リードの九回から登板した藤川球児投手(35)が、レアードに逆転サヨナラ2ランを浴びた。手痛い敗戦となったが、金本知憲監督(48)は八回に一時逆転した場面に着目。「一つ殻を破った」と今後の巻き返しへ手応えを感じていた。

 悪夢のような弾道が人波に消える。静まりかえった一塁ベンチ。抜け出せそうで抜け出せなかったトンネル。重い5連敗となったが、金本監督は下を向かなかった。今季6回目のサヨナラ負けを喫したことより、そこまでの過程に目を向けた。

 終わってみれば14安打4得点。結果的に、序盤の好機をもう少し生かせれば…という展開。「それがやっぱり大きいね」。そう振り返った上で、それでも金本監督が力を込めて振り返ったのは、八回の攻撃。そこに、次につながる光が見えた。

 「でも考えようによってはね、セットアッパーから逆転したんだからね。今季初じゃないかな。だいたいズルズル、スッと負けるパターンだけど。あの八回の攻撃、今季初だと思うよ。そこをやっぱり、これから反発力あるチームになっていくためにはね、一つのきっかけに、自信になってというか自信を付けて欲しい」

 六回に追い付かれ、七回に1点を勝ち越された。残されたのは2イニング。これまでなら、パンチを打ち切れないまま沈んでいたが、この日は違った。日本ハムの勝ちパターンのマーティンを相手に、先頭からゴメスと福留の連打で無死二、三塁の好機を作ると、1死を挟んで高山が2点適時二塁打。鮮やかに逆転に成功した。

 セットアッパーからの逆転ということだけでなく、この連敗中に感じられなかった反発力。「そこがないところで、この勝ちパターンのピッチャーから逆転したわけだからね」。きっかけにしないと意味がない。

 「あれを今後ね、セットアッパーが来ても期待できるしね。一つ殻を破ったかなという感はあるんで、そうやって前向きにとらえていかないと」

 藤川のサヨナラ被弾という衝撃的な結末。チームとしては昨年4月の6連敗以来の5連敗で、借金も今季最多の「4」。そんな状況でも、前向きな気持ちが大きく上回る。今は我慢の時。この経験が必ず生きると信じ、明日も選手を信頼して送り出す。

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