メッセで大脱出 連敗止めた魂の132球
「交流戦、日本ハム0-3阪神」(11日、札幌ドーム)
やっと暗いトンネルを抜け出した。チームの連敗を5で止めたのは、ランディ・メッセンジャー投手(34)だ。今季最多の132球を投じ、7回を4安打無失点。自身2連勝で6勝目をマークした。チーム状態が下降線をたどる金本阪神だが、この1勝をきっかけに再上昇してみせる。
132球の熱投で負の連鎖を断ち切った。先発メッセンジャーが7回を4安打無失点の好投。自身6勝目でチームの連敗を5で食い止めた。1週間ぶり白星で一塁ベンチに笑顔が戻り、札幌ドームに詰めかけた虎党も歓喜に沸いた。黄色に染まった右翼席からは勝利の凱歌、六甲おろしの大合唱が鳴り響いた。
メッセンジャーが5勝目を挙げた4日・西武戦(甲子園)を最後にチームは連敗地獄にはまり込んだ。5連敗中は1点差負けが3試合。ただ「最近はいい試合をしながら負けていたという部分もあった」と決して悲観的にはならなかった右腕。「自分としては、今日は何とか勝ちたいという強い気持ちで試合に臨んだ」と過度なプレッシャーをかけずにマウンドに上がった。
試合前まで日本ハムの交流戦チーム打率は12球団トップの・292。粘り強い相手打者にも「自分の投球をすれば、きちっとアウトを取れると信じて投げた」と丁寧に向き合った。球数は増えたが、三塁を踏ませない投球。この日の右腕には3点の援護で十分だった。
日本国内では他球場より硬いとされる札幌ドームのマウンドが味方した。13年6月13日以来、4度目の登板だが「前に投げた時もいい感じで投げられた。アメリカのマウンドに近い感じがするので、自分としてはよく合う」と納得顔。過去3試合で0勝2敗と白星こそ付いていなかったが、いずれも3失点以内と試合を作ったことで抱いていた好印象も後押しした。
来日7年目で大のラーメン通として知られるメッセンジャーだが、こだわりは相当なものだ。地元神戸はもちろん、遠征各地にも行きつけの店がある。交流戦でしか訪れる機会がない札幌にもお気に入りの店がある。登板前夜の10日は大好きなとんこつしょうゆ味を堪能して、連敗脱出に備えていた。
今季の開幕投手を務めた大黒柱が窮地を救った。金本監督は「連投になるドリスと高橋のどちらかを休ませるためにも、欲を言えば、もう1イニングいって欲しかった」と言いながらも「7回ビシッと抑えてくれたことが何よりだから」と笑顔で称えた。
メッセンジャーは昨年5月29日・西武戦(西武ドーム)から交流戦4連勝。それでも試合後は「何イニングかは自分として納得いかないイニングもあった」と反省を忘れない。次回登板は17日からのソフトバンク3連戦(甲子園)の見込み。圧倒的な強力打線を相手に“交流戦男”の本領を発揮し、チームを上昇気流に乗せていく。