大和“努力”の決勝打!筋力強化で成果

 「交流戦、日本ハム0-3阪神」(11日、札幌ドーム)

 連敗の暗いトンネルを抜け出すきっかけをつくったのは、阪神・大和のバットだった。高めの直球を強引に引っ張った打球が、左翼線を鋭く破っていく。殊勲者は、二塁ベース上で力強く4度手をたたいた。札幌ドームが「大和コール」に包まれた。

 「チャンスだったので、なんとか後ろにつなげようと思って打席に入りました。結果が出て良かったです」

 三回1死。岡崎の右前打から流れが傾く。続く鳥谷が四球で歩いて一、二塁の好機ができた。打席には3日・西武戦(甲子園)以来、7試合ぶりのスタメン出場となった大和。カウント1-1から、フルスイングで決勝点をたたき出した。「真っすぐに振り負けないように」と臨んだ打席で、結果を残した。

 さらに、守備でも好プレーを見せる。六回無死一塁。中島の打球は二塁ベースの左に転がった。あらかじめ二遊間寄りに守備位置をとっていた大和は猛然とチャージし捕球すると、そのままランニングスロー。卓越された技術、「打者の傾向が出ていたので」という観察力を駆使したフィールディングで、メッセンジャーを救った。

 「十分良くなってきていると思いますよ。強く振れるようになってきていますし、あとはその確率を上げていくだけですね」

 今季、課題の打撃力が向上している。特に、顕著に数字に表れているのは長打率だ。昨季のシーズン終了時が・245だったのに対し、今季はここまで52試合で・358。今年1月、本格的に取り入れたウエートトレーニングの効果が打席の中で生かされる。

 熊本、鹿児島での自主トレでは毎日ジムにこもった。これまで60キロ前後だったスクワットの負荷を130キロに設定し、下半身の強化に努めた。今は「動けなくなったら困るから」と100キロに下げ、筋力の維持に集中。ステップ時、高々と上げる左足を支えているのは強くなった軸足だ。

 5連敗という悪夢を抜け出し、次に迎え撃つは最速163キロ右腕・大谷翔平。進化を続ける大和のバットが、再び突破口を開く。

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