青柳 初聖地初先発星ならずも5回0封

 「交流戦、阪神1-5オリックス」(15日、甲子園球場)

 意地で抑えた。初めて踏む聖地のマウンド。大観衆の目は阪神のドラフト5位・青柳晃洋投手(22)=帝京大=に注がれる。緊張、不安、弱気な心…。それらに打ち勝ち、ゲームを作った。「他の球場と雰囲気が違いました」。投げ終えた感想をそう表現。紅潮したほおが熱投を物語る。

 初回、先頭・糸井に四球を与えた。前途多難の幕開け。しかし、コンビを組んだ梅野が二盗を阻止した。続く二回は2死満塁のピンチを背負ったが、今後は糸井を空振り三振に仕留めた。三、四回は三者凡退。五回も三塁まで走者を進められたが、本塁は踏ませなかった。

 甲子園初登板初勝利となれば、13年4月14日・DeNA戦の藤浪以来だったが実現はならなかった。5安打は全て左打者から浴び、「改善しないといけない」と猛省した。

 それでも無失点でマウンドを降りるのは初めて。直球、ツーシームを中心に組み立て、相手打線の的を外した。「三回から四死球を減らせた。ゾーンで勝負できたのは大きい。ゴロでアウトが取れたのも大きかったと思う」と確かな手応えを感じていた。

 スタンドでは母・利香さん、そして祖母・前田敏子さんが観戦した。2人は神戸市出身で、青柳は物心ついたときから年に1度は関西へ。「行かなかった年はないと思います」。10歳のときに野球を始めてからは、自然と聖地に足を運んだ。

 「行くたびに、いつかここで投げたいと思っていました」。熱戦を繰り広げる高校野球、そしてスーパープレーで魅せるプロ野球。それらを見ていると憧れの舞台になった。川崎工科高では県16強止まり。高校時代に破れた夢をプロでかなえた。

 虎党の2人は食い入るように青柳の勇姿を見つめた。ピンチを抑えるたびにタイガースカラーのメガホンをたたいた。利香さんは「心臓に悪いなと思いながら見ていました。次に期待します。チャンスがあれば、いいです」と願いを込めた。

 「球数を減らせられるよう、頑張っていきたい」と前を向いた青柳。課題を克服し、次はプロ2勝目をつかむ。

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