金本監督「当たる気しない」ゴメス代打
「交流戦、阪神0-1ソフトバンク」(18日、甲子園球場)
阪神が毎回の14三振、今季ワーストタイ2安打で4度目の完封負け。2年ぶりの交流戦負け越しが決まった。今季最多4万6794人の観衆の前で、主砲のマウロ・ゴメス内野手(31)が2三振。これでリーグワースト記録にあと1とする7打席連続三振となり、七回の打席で来日初の代打を送られた。金本監督が「当たる気しないでしょ」と苦悩の決断を下した。
快晴の甲子園に快音が響かない。空を切り、手が出なかった毎回の計14三振。わずかにスタンドが沸いたのは2安打のみ。完封負けで2年ぶり7度目の交流戦負け越しも決定。沈黙の打線に悩みは尽きない。途中でベンチに下げたゴメスの不調に、金本監督の苦悩の色が見えた。
「(ゴメスは)当たる気しないでしょ、バットに。本人もどうしていいのかパニクってるところもあると思うし」
あまりに内容が悪かったから、代打を告げた。前日は4三振、15日のオリックス戦からは5打席連続三振。二回と四回の打席では、いずれも明らかなボール球の変化球に手を出して空振り三振。福留からの七回の攻撃が始まる前から、ネクストバッターズサークルにゴメスの姿はなく、代打・狩野が送られた。試合後のゴメスは「今日は何もないよ」と言葉少なだった。
前日の内容も含め、試合前練習中には金本監督、片岡打撃コーチ、オマリー打撃コーチ補佐らと話し合っていた。「ちょっと自分の好きなようにやってみろと。頭をリフレッシュして。自分で考えて、なぜああなるのかを」(金本監督)と助言を受けたが、実らない。来日3年目、自身通算354試合目の出場で、初めて代打を送られる結果となった。
これで7打席連続三振。不名誉なリーグ記録の8打席連続三振も迫るが、ゴメス自身が現状打破するしかない。金本監督は「最後は自分のね、いくら周りが手助けと言っても、最後はもう自分が考えて、自分が迷路から抜け出すしかないんだから。誰でもそうですけど」と話す。その上で期待も口にした。
「トリ(鳥谷)と孝介(福留)と(ゴメスの)三人は、やっぱり代わりがいないし」
前夜は劇的なサヨナラ勝ち。この日勝てば、セ・リーグで唯一の対ソフトバンク勝ち越しを決められたが、今季初の0-1での完封負け。ただ、チャンスはまだある。目の前の勝利と、主軸の活躍があってこその「超変革」。信頼するゴメスの一日も早い復調が待たれる。