岩崎、勝利呼ぶ熱投 115球7回0封
「交流戦、阪神2-0オリックス」(20日、甲子園球場)
これまでとはひと味違う。勝敗を左右する勝負どころ。粘って乗り切った左腕が、力強く拳を握った。七回2死満塁。中島を143キロ直球で見逃し三振に封じ、得点を許さなかった。阪神・岩崎の好投があったからこその、勝利だった。
「踏ん張りどころだったので、去年までと違うというところを見せないと。全体的にいいバランスで投げられました」
初回から安定していた。三回まで無安打に抑えるなど、六回まで3安打無失点。140キロを超える直球を中心に、オリックス打線に的を絞らせなかった。その流れで迎えた、七回の最大のピンチ。「ここで打たれたらこれまでのピッチングが台無しになるので」。左腕の意地が勝った。
金本監督は「交代も頭をよぎったけど、ここを乗りきってほしいと続投させて、(七回は)何とか三振で斬ってくれてね。110球超えても直球が走っていたので、スタミナが付いてきたのかな」と称えた投球。7回無失点の結果だけでなく、内容も高く評価した。
前日19日に25歳の誕生日を迎えた左腕。試合後は「それはいいです」と笑顔で誕生日の話題をかわしたものの、確かな成長を感じさせた。リーグ戦再開後への期待が膨らむ115球の熱投だった。