藤浪、完全復調見えた 7回2失点粘投
「広島4-2阪神」(24日、マツダスタジアム)
阪神がリーグ戦再開初戦で惜敗。5位に転落し、首位・広島とのゲーム差は8・5に広がった。先発の藤浪晋太郎投手(22)は先制を許しながらも7回5安打2失点(自責点1)の力投。勝利にはつながらなかったものの、完全復調への光は見えた。
エースの完全復調へ光は見えた。ペナントレースの折り返し。雨の中、藤浪が粘りの投球を展開した。七回まで三者凡退は2度だけ。毎回のようにランナーを背負いながら、要所で踏ん張った。
「苦しい状況が多かったですけど何とか粘って投げられました。最低限の仕事はできたと思います」
7回5安打2失点(自責点1)。試合後は自身の投球に及第点を与えたが、決して納得の内容ではない。試合開始が30分遅れた初回につまずいた。
「ブルペンが軟らかくて、マウンドに上がれば硬かった。そこで戸惑いがありました。(プレーボールが)遅れたのは、気にならなかったです」
立ち上がり、悪癖の制球難が顔をのぞかせる。1番田中に左翼越え二塁打を浴びると、1死三塁から、3番丸に四球。続くルナへの2球目がすっぽ抜け、捕逸で先制点を許した。9日・ロッテ戦(QVC)でも捕逸で先制点を与えている。
2-1と勝ち越した直後。四回の失点も痛恨だ。売り出し中の同級生・先頭鈴木に三塁打され、1死三塁のピンチ。7番安部に直球を続けて、押し込もうとしたが、中堅へ犠飛を浴びた。下位打線に向かっていただけに、悔やまれる失点シーンとなった。五回以降、得点圏に走者を置いても無失点に封じたが、待望の今季5勝目はつかめなかった。
逆転優勝へ、藤浪には大黒柱としての働きが期待されている。香田投手コーチは「粘って投げてくれた。真っすぐが走っていた。良くなってきている」と評価したが、もどかしさは消えない。
「まずまずじゃないかな。そんなにいいとは思えなかったけど。今年で言えば普通くらいかな」
試合後、金本監督はそう話した。リーグ戦再開初戦を藤浪で落としたことも事実。昨季のようなバッターを圧倒する姿を求めているだけに、合格点は付けられなかった。勢いに乗れない今だからこそ、エースで確実に白星を重ねていきたい。