隼太、特大適時三塁打!金本監督も称賛
「中日7-2阪神」(1日、ナゴヤドーム)
かすかな希望を感じさせた。0-6の八回、阪神は1点を返し、なお2死一塁。ここで「代打・伊藤隼」がコールされると、左翼席の虎党から大きな声援が送られた。「代打だったのでなんとか結果を出そうと思い、打席に立ちました」。気持ちで打った一打だった。
マウンドには代わったばかりの2番手・又吉。カウント2-2から、甘く入ってきたボールを逃さなかった。「うまく下半身で粘れたと思います」とバットの芯に乗せ、打球は右翼フェンスに直撃。この一打で一走・鳥谷が2点目のホームへ入り、自身は一気に三塁を陥れた。
6月15日に1軍へ昇格し、ここまで9試合に出場。打率・227とアピールに欠けているが、やはり持ち味は長打力を兼ね備えた打撃だ。金本監督は「あそこで諦めるわけにはいかないから」と、この日の一打を称賛。貧打にあえぐ猛虎打線の中で、伊藤隼は求められる最高の結果で応えて見せた。
今春のキャンプ直前に右肩関節唇を損傷し、5月中旬まで実戦から遠ざかった。そこで、一から打撃を見つめ直すことを決意。「三振をしないバッティング」をテーマに打つポイントを近くするなど、追い込まれてからの対応力を磨いてきた。
「明日です」。バスに乗り込む直前、伊藤隼は声を振り絞った。前を向かなければ、活路は見えてこない。