初1番西岡から速攻!完敗ビリ虎鼓舞
「中日8-3阪神」(3日、ナゴヤドーム)
今季初のリードオフマンとしての働きは、阪神・西岡剛内野手らしかった。3打数1安打1四球という結果以上に際立つ存在感。前日の試合後「(目の前の壁を)ぶち破っていく」と語った背番号7の闘争心が、一つ一つのプレーに凝縮されていた。
見せ場は初回だ。吉見の内角球をしっかりと見極め、四球で出塁。続く鳥谷の2球目に抜群のスタートで二塁を陥れた。1死後、ゴメスの左前適時打で先制のホームイン。2日・中日戦ではダブルスチールを決めるなど、積極果敢な走塁で攻撃に勢いを与えている。
「毎試合こういうことができれば、チームとしていい試合ができると思う」。初回に先頭打者が出塁したのは、6月18日・ソフトバンク戦(甲子園)以来10試合ぶり。トンネルから抜け出せない打線の一因は、ここにあったのかもしれない。
三回も先頭で打席に立ち、二ゴロを全力疾走で内野安打にした。左太もも裏痛から6月2日・楽天戦で1軍昇格し、ここまで打率・287とアベレージをキープ。安定した二塁の守備でも、チームを鼓舞し続けている。
「やるのは選手だから。監督、コーチは信用して使ってくれている。だから(選手が)勝ち負けの責任を負わないといけないし、何かを感じながらやっていかないといけない」
ナゴヤドームを出る直前、西岡はそう言って勝利への執念を示した。首位・広島の背中は遠のくばかりだが、絶対に諦めてはいけない。全国の虎ファンは、選手たちのひたむきな全力プレーに期待している。