福留、意地の一打 名球会・山本浩二理事長からゲキも
「阪神2-8広島」(8日、甲子園球場)
うつむき加減で足早に引き揚げてきた。苦しむ先発・藤浪をバットで助けたかった。阪神・福留が、チームにとって唯一の得点機を生かした6戦連続安打。ただ、この日のあまりにも痛い敗戦に重い空気が充満していた。
5点ビハインドで迎えた四回。無死一、二塁から敵の先発・ジョンソンが投じた144キロの直球を中前へ運んだ。相手の中堅・丸が打球を後逸する間、2人の走者はホームへ生還。自身は敵の守備のスキを見逃さず三塁を陥れていた。
守りでも盛り立てようと必死だった。八回2死満塁から、代打・岩本が放った右翼への打球に滑り込んだ。結果は走者一掃の適時三塁打となったが、傷口を最小限に抑えようとチームを思っての懸命なプレーだ。
素直には喜べない。この日の試合前、日本通算1500安打と日米通算2000安打達成の表彰セレモニーが行われた。名球会の山本浩二理事長から名球会ブレザーを着せてもらい、これまでの道のりをかみしめた。
それでもまだ道半ば。「(名球会ブレザーを)頂いたので、これを励みにまたやるということ」。セレモニー後、山本理事長からは「まだ通過点」とのゲキ。このまま大人しくしているほど柔じゃない。