福留デイリーだけに語った!後半戦巻き返しの「条件」
阪神・福留孝介外野手が14日、都内でデイリースポーツの取材に応じ、後半戦巻き返しの「条件」を語った。借金10からの反攻は、ここまで87試合の反省なしにあり得ないという。選手全員が足元をみつめ、上を向いて進んで行こう。そして、変革途上のチームを根底で支えるのはやはり経験のある自身や鳥谷だとも言った。前夜、ヤクルト戦(神宮)の決勝打でチームに光を見いだした39歳は、冷静に残り56試合を見据えた。
前半戦ラストゲームの一夜明け、12時間前のヒーロー福留が都内でデイリースポーツの取材に応じた。朝、チーム宿舎をチェックアウトし、身内と合流した。この日から球宴ブレークのため、Tシャツにデニム、キャップ姿というラフなスタイル。わずかな休養日に心身のリフレッシュを図る。それでも、シーズン中に思考から野球をリリースする日はない。56試合を残す後半戦への思いを、自身に語りかけるように話した。
「気持ちの部分では上を見なきゃいけない。ただその中でやらなきゃいけないこともいっぱいあると思っていますよ。気持ちは上を向く。それが大事なんだけど、じゃあ前半戦、何が悪かったのか。何が足りなかったのか…。僕らは、自分たちの足元をきちんと見なきゃいけない」
借金が2桁にまで膨らんだチームだ。だからポジティブに。だから希望を持って。長丁場ではそんな強気のメンタルで活路を見いだせることもあるだろう。だが、チーム最年長は思う。たくさん負債を抱えた現実を一人一人が直視し、敗因の解明を目指さない限り、打開や進歩はあり得ない、と。
日米で培ったプロ18年間の経験を若い選手に還元することが、日々のモチベーションになっている。未熟なプレーを見れば、心中に去来する思いはある。だが、だからといって頭ごなしに反省を促すつもりもない。
「自分だって若いときはたくさん失敗をしたし、そのたびにチームにも迷惑をかけた。そんなときに先輩たちにたくさん声をかけてもらったり、助けてもらってきたから。今年は若い選手が多いし、頑張っているけど、若い力だけでは難しいこともある。そこは僕だったり、トリだったり、経験のある選手がカバーして、チームとして機能するようにしていかないといけない」
マツダスタジアムで日米通算2000安打を記録した6月25日、福留は言った。「もう個人的な数字を追いかけることもない。あとはこのチームが勝つことが目標」。その宣言通り、交流戦明けの広島戦から前日までの16試合で58打数22安打、打率・379と頼もしい。金本監督は「孝介は去年の後半から試合を決めまくっていた。今年もやってくれるんじゃないか」と期待を寄せる。
虎で「神ってる」39歳は言う。
「巻き返せるように頑張りますよ」
2日間の完全休養を高質なエネルギーに変え、苦境の虎を若々しい背中で引っ張る。