メッセ圧巻 セ・トップ120Kも不運
「阪神1-2巨人」(18日、甲子園球場)
スタンドから「ダディー!」と声をからした家族の願いは届かなかった。重苦しい空気が充満したクラブハウスへ続く通路。阪神・メッセンジャーは真っ先に姿を見せ、「残念ながら負けてしまったけど、チームに勝つチャンスを与えるピッチングはできたと思う」と無念の表情で振り返った。
アンラッキーの連続だった。1点リードの六回だ。先頭・小林誠のライナーが中堅右へ。江越は果敢にダイビングキャッチを試みたが届かず。打球は右中間を転々…、無死三塁のピンチを背負った。それでもマイコラス、橋本到を150キロ超の剛速球で連続三振。マウンドで気迫をほとばしらせ、2死を奪った。
続くルーキー山本も2球で追い込む。ところが、ファウルで粘られた末の8球目。外角低め154キロをバットに当てられた打球は一、二塁間へ。ゴメスが倒れながらグラブを差し出したが、完全捕球できず、一塁送球も高く浮いてしまう。間一髪セーフとなり、不運な形で追いつかれた。
「あの回、先頭バッターに三塁打を打たれたのは反省しないといけない。2人を打ち取った後だっただけに、抑えたかったです」
8回119球を投げ4安打1失点。同点の八回に代打を送られ降板を余儀なくされた。「メッセはほぼ完璧でしょう」。金本監督のコメントが、助っ人の力投を物語る。まさに白星に値する投球内容だった。
故障離脱した岡崎に代わり、久々にバッテリーを組んだ原口とも「問題なかった。いいリードをしてくれた」と息ピッタリ。最速155キロの直球を勝負球にして8奪三振。今季120奪三振は巨人・菅野を抜き、リーグトップに躍り出た。
球宴休みは子どもたちと海水浴へ出掛け、気分をリフレッシュ。開幕投手らしく、後半戦初戦でも期待通りの働きを見せた。勝負の後半戦もローテの軸を担う。