阪神9年ぶり甲子園6連敗…虎党、不満爆発寸前!鳥谷見逃し三振にヤジ、罵声
「阪神1-6巨人」(19日、甲子園球場)
甲子園が泣いている。先発・能見篤史投手(37)が三回途中6失点でKOされ、打線も奮わずに完敗。本拠地・甲子園では2007年以来、9年ぶりの6連敗となった。今季甲子園の巨人戦も引き分けを挟んで5連敗。11打席連続無安打の鳥谷敬内野手(35)に対しては、スタンドから厳しいヤジが飛んだ。
君がヒーローだ、とスタンドが叫ぶ。続くのは快音とはいかない。だから歓声ではなくため息が聞こえてくる。奪ったのは5安打でわずか1点。まだ続く甲子園での連敗。不発の阪神打線にあって、鳥谷がまだ目覚めない。これでは負の連鎖は断ち切れない。
「(初回は)ノーアウト二塁?まあ、トリがサードに進められなかったのもあるし」
試合後の会見場に金本監督の言葉が重く響いた。報道陣に問われて振り返ったのは初回の好機。西岡の二塁打で無死二塁となり、続く鳥谷へ。3ボールから2球見逃しでフルカウントに。最低でも西岡を三塁に進めたかったが、7球目の直球を打ち損じた形で捕邪飛に。勢いを付けられず、無得点に終わった。
後半戦のキーマンの一人に挙げられた背番号「1」。トンネルの出口は見えてこない。三回2死で見逃し三振に倒れると、スタンドからは厳しいヤジや罵声も飛ぶなど、騒然とした雰囲気が生まれる。前日は3三振を含む4タコ。五回の打席は四球で出塁したが、八回無死一塁では投ゴロに倒れ、この日も無安打に終わった。
この日は1番の西岡が3安打。それだけに、2番の鳥谷がつなげれば、さらに得点機も増えていた流れ。もちろん、鳥谷だけが打てなかったわけではない。先発の内海に対し、結果的に計11三振を喫してしまった。左腕の制球の良さを認めた上で、指揮官が嘆く。
「バッターも駆け引きしないと。漠然と甘い球だけを拾おうとしても、何回も口酸っぱく言ってるんだけど。全部の球が打てるわけないんだから。甘い球はそんなに来ませんよ、なかなか」
これで甲子園では6月28日・DeNA戦の勝利を最後に、07年以来9年ぶりの6連敗に。甲子園での巨人戦も6戦5敗1分け。ファンも分かっている。歌えないままの六甲おろし。三回のバッテリー交代時にも厳しい罵声が飛び交うなど、スタンドのストレスが日に日に増す展開が続いているのが現状。このままでは終われない。
金本監督は「それは勝ちにいくだけ、こっちは。全力を尽くして」と力強く前を向く。まずは目の前の一つ。20日の巨人戦に勝つ。それだけしかない。そのためにも主力の奮起が求められる。いつまでも泣いたままの甲子園では寂しすぎる。