球児、健在3人斬り チームの苦しい状況に「食いしばるしかない」
「広島7-0阪神」(23日、マツダスタジアム)
巻き返しを誓った後半戦最初の出番は7点ビハインドの場面だった。八回、5番手でマウンドに送り出されたのは阪神・藤川。ベテラン右腕は序盤3回で7得点した好調赤ヘル打線をきっちり三者凡退で仕留めた。テンポのいい11球で味方打線の九回の反撃を待った。
球宴前は守護神ドリスに勝利のバトンをつなぐ“八回の男”に定着しつつあったが、後半戦はなかなか勝ちパターンに持ち込めない。登板間隔の関係もあり、劣勢の試合展開で球児がマウンドに上がらざるを得なかった。
グラウンドでは黙って仕事をする男だ。まずはブレーク中の鈴木をカウント3-1から高めへの147キロ直球で遊飛に打ち取った。続く下水流はオール直球勝負で3球三振。最後は石原を2ボールからの3球目、147キロ直球で中飛に料理した。
黒田の日米通算200勝達成を待ちわびる雰囲気のマツダスタジアムで貫禄の投球を見せた。6月24日、新井に決勝2点打を浴び、5敗目を喫した球場で“火の玉ストレート”健在を示した。それでも最終回の味方の攻撃にはつながらず、チームは今季7度目の零封負けを喫した。
与えられた持ち場で自分の仕事を果たした藤川だが、試合後は「苦しい状況だが?」の問い掛けに「そうですね。何も言えないです」と険しい表情。そして「食いしばるしかない」と言葉を続けた。首位広島には9連敗で18・5差。このままでは終われない。24日の3戦目こそ意地を見せる。