メッセンジャー9勝目 通算1069Kで助っ投歴代2位タイに
「阪神8-2中日」(30日、甲子園球場)
130球まで達していた。阪神・メッセンジャーに限界はきていたかもしれない。金本監督はベンチを飛び出し、島本もリリーフカーでマウンドに向かおうとしていた。でも、制した。「信用してくれて投げさせてもらって感謝している」。自分のまいた種は自分で取る。それがポリシーだ。
七回2死一塁。大島に適時二塁打を食らい、1点を献上した場面だった。続投を許された後も工藤に左前打を許すと、エルナンデスには四球。満塁の窮地に立たされた。
ここで六回に本塁打を打たれていたビシエドを迎えた。しかし気持ちは折れていなかった。「十分に抑えられる力はあると思っていた。自分の仕事をきっちりとすることに集中していた」。外角高め152キロ直球で空振り三振。鬼気迫る表情で引き揚げた。
魂のこもった力投に指揮官は「球数も心配でしたけど、彼の責任感だと思います」と絶賛。コンビを組んだ原口も「勝ちたいという気持ちが伝わってきた」とミット越しに思いを感じていた。
マウンドは譲りたくない-。強い信念はプライベートにも表れている。夏になって気温が上昇。冷たいものがほしくなる時期だが「シリアル以外食べない」と徹底する。
一方で冷房はつけ、「休みの日はできるだけ(家族で)出掛けるよ。プール、ビーチ、噴水で水遊びしたりね」。オン-オフのメリハリを、きっちりとつけている。それが強さの源だ。
これで後半戦初勝利、9勝目をゲットした。外国人投手歴代6位タイの通算70勝目を手に入れ、2年ぶりの2桁勝利に王手。さらに、この日の5奪三振で通算1069奪三振とし、外国人歴代2位タイにつけた。
「どんな状況であっても勝ちたいという気持ちでマウンドに上がっている。特にああいうところで自分の強い気持ちを出すことができたと思う」と胸を張った背番号54。おとこ気あふれる力投でチームをけん引する。