鳥谷9戦ぶりスタメン即猛打賞!金本監督「自信戻ったよう」
「DeNA4-3阪神」(3日、横浜スタジアム)
ついにこの男がスタメンに戻ってきた。阪神・鳥谷敬内野手(35)が「3番・遊撃」で9試合ぶりに先発出場。初回、右翼線二塁打で先制のお膳立てを整えると、三回には右前打、五回には中前打を放って猛打賞をマークした。逆転負けで連勝は3で止まったが、主将の復活は今後の巻き返しへ確かな光となるはずだ。
慣れ親しんだ「3番・遊撃」。鳥谷が9試合ぶりに定位置へ戻った。リズム、テンポ。感覚が自然と体によみがえる。「いつでも(先発で)出られる準備はしていたので」。横浜で奏でた3度の快音。連勝は3で止まったが、主将が逆襲への号砲をあげた。
体のキレを感じさせた。初回2死。山口に2球で追い込まれると、3球目は内角への147キロ。際どいコースへのボール球を見極めた。4球目も内角低めへの148キロの直球。今度はコンパクトなスイングでバットの芯に乗せた。右翼線二塁打。福留の先制打につながった。
思い切りのよさも戻った。三回2死一塁は初球を強振。真ん中高めのスライダーに詰まった。だが、しっかりとバットを振り切った分、飛球は伸びて二塁と右翼の間で跳ねた。
五回2死は外角高めの146キロを逆らわずに中前打。7月31日・中日戦で、代打で左前打を放ってから6打席連続安打。「状態は悪くなかったんで」。今季3度目の猛打賞は6月4日・西武戦以来43試合ぶりだった。
先発を外れても自らを追い込んできた。「手を抜くような選手ではないからね」と高代ヘッドコーチ。先発出場を続けていた時と同じ練習スタイルを継続し、ベストパフォーマンスを生み出した。
片岡打撃コーチも目を細めた。「本来の鳥谷らしいバットコントロールだった。逆方向にも打てていたしね」。周囲も安心する打撃内容だった。
7月24日・広島戦で先発を外れ、667試合連続フルイニング出場がストップ。首脳陣は慎重に先発復帰の時期を探っていた。
だが、先発を外れて以降は打率・667。さらにDeNA先発・山口との今季の対戦成績は、この試合前までで打率・571だった。「(先発復帰を話したのは)今日。自信も戻ったようだし。その通り3本打ってくれたし」。状態と相性が、金本監督を決断させた。
個人的な結果は残した。ただ、鳥谷はそれよりも勝利を欲している。「そこを目指してやっているので」とフル出場へこだわりを見せながらも「結果が全てなので。勝つためにやっているので」。悔しさを乗り越えた今、もう後戻りはしない。次こそ勝利で笑いたい。