狩野3番で3安打 スタメン起用に応えた2年ぶり固め打ち

 「広島10-3阪神」(9日、マツダスタジアム)

 阪神・狩野がマツダスタジアムで躍動した。野手最古参、虎一筋16年目の意地が詰まった3本のヒット。だが、勝ちには結びつかない。ベテランは「なんとも言えないですね。やっぱり勝ちたかった」と、渋い表情のまま帰りのバスへと乗り込んだ。

 6月19日・ソフトバンク戦(甲子園)以来の3番スタメン。初回は江越、鳥谷と連続三振に倒れる中、変化球をバットの先で拾い中前打。反撃の機運が高まる1-5の五回1死三塁は、146キロ直球を右前へタイムリー。七回2死は、2番手・今村の変化球を再び右前へはじき返した。

 「追い上げているところで、なんとかしたいという思いだった」

 14年8月29日・ヤクルト戦(甲子園)以来、2年ぶりの猛打賞。今季は代打稼業をメインに、50試合で打率・288と勝負強い打撃で打線を鼓舞している。この日は、150キロ超の真っすぐが武器の広島・ジョンソンが先発で、スタメンに抜てきされた。

 片岡打撃コーチは「期待に応えてくれる3本のヒットだった」と称賛。左腕に対して過去7試合で4敗、打率・201と完璧に抑えられていた虎打線の中で、起爆剤としての働きを存分に果たした。逆方向への鋭い打球は、今後のジョンソン攻略へのキーマンになり得る。

 「与えられたところで、しっかりと仕事を果たしたいですね」

 周囲に気を使い、時に投手にまで声をかける背番号99。今、その存在はチームに欠かせない。「続けていきたいと思います」。次こそは、勝利へつながる一打を放ってみせる。

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