「阪神４－２中日」（１２日、京セラドーム大阪）

　やはり大事な場面で頼りになる。ベテランの試合を読む力、そして決定力。阪神・福留が“思惑通り”の８号ソロを右翼席へたたき込んだ。

　「向こうのピッチャーが自分のリズム、自分のリズムで投げようとしていたので何とか打ちたかった。江越がいいところでホームランを打ったので、自分もそれに続こうと…。思った通りの球を思った通りのところで、一発で仕留められてよかった」

　１－０の六回１死で迎えた第３打席。ロースコアが続きそうな試合展開だった。好投していた中日先発・バルデスが投じた初球。ベテランは逃さない。「打った瞬間、いくと思った」と、甘く入った１１６キロスライダーを完璧に捉えた。一振りで貴重な追加点をもたらした。

　四回の第２打席では、珍しく３球三振に倒れていた。「そういうときもある。引きずるというよりも、逆に狙い球を絞っていけたし、うまいこと仕留められた」。経験が豊富だからこそ、次につなげられる。

　古巣・中日に対してめっぽう強い。対戦カード別最高の打率・３９２。「特に意識してないけど」と前置きしたが、「より集中してやれていることが逆にいいのかな」と話す。育ててくれた球団。活躍している姿を見せることで、感謝の意を伝えている。

　疲れもあるが「チームが勝つと軽減される」。勝利に導くプレーで、大きな存在感を見せ続ける。