高山満弾6打点!止まらん4連勝!26日甲子園で3位浮上や
「DeNA3-9阪神」(25日、横浜スタジアム)
ロード最終戦を見事な勝利で飾った。阪神・高山俊外野手(23)が四回にプロ初となる5号満塁弾を放つなど、プロ入り最多の6打点と大爆発。今季2度目の4連勝、同3度目の同一カード3連勝で3位・DeNAとは0・5差。1カ月ぶりに戻る聖地でも頼んまっせ-。
港町の夜空に舞い上がった打球は、潮風に乗りグングン伸びていく。圧巻の放物線に、2万8670人の大歓声がどよめきに変わった。高山は涼しい顔でダイヤモンドをゆっくりと回る。プロ初の満塁弾はCS圏内、3位奪取に向けた強烈な一撃だ。この勢いは誰にも止められない。
「打った瞬間『いったかな』と思いました。大事な試合で打てた一本だったので、すごくうれしいです」
1-0の四回2死満塁の場面だった。先発・ペトリックの初球、外角高めに浮いたチェンジアップを完璧に仕留めた。14日・広島戦(京セラドーム)以来、8試合ぶりの5号は自身初の満塁ホームラン。再び迎えた六回無死満塁の好機では、右翼線を破る2点適時二塁打を放った。6打点の活躍は紛れもないヒーローだ。
金本監督も「率を下げて長打を狙えとか、そういう指導は一切していない。率に長打が伴う打撃指導をしてきて、その成果かなと思う」と手応えを感じる。前日まで2試合連続猛打賞と打ちまくり、このDeNA3連戦では13打数8安打7打点、打率・615と大爆発。日々成長を続ける背番号9には、幼い頃からたぐいまれな「素質」が備わっている。
中学校時代の学業成績は、満点といわれるオール5。期末テストも「点数は良かったと思います」と父・辰雄さんは振り返る。だが単に、頭が良かったというだけではない。「授業中に集中して勉強していたんだと思います」。周囲からの信頼も厚く、学級委員を務めることもあったという。「素質」とは、何事にも全力を注ぐことができる「能力」だ。
球団新人の満塁本塁打は、12年の伊藤隼太以来の4年ぶり2人目。チームとしては今年初の満弾となり、今季2度目となる4連勝を一気に引き寄せた。
「上のチームに勝てたことが良かったです」。3位・DeNAとのゲーム差は3連勝で0・5と肉薄。高山が本塁打を打てば負けない。もう勢いは止まらない。残り24試合。反攻を期すタイガースの中軸に、高山が堂々と君臨する。