高山 甲子園ただいま2点三塁打!逆転CSへ新人王へイケイケ
「阪神3-5ヤクルト」(26日、甲子園球場)
26日ぶりに帰ってきた本拠地でも躍動した。5点を追う五回2死一、三塁で、阪神ドラフト1位・高山俊外野手(23)=明大=が、右翼線に2点適時三塁打を放った。これで自身4試合連続安打、3試合連続打点。得点圏打率もリーグ1位をキープした。序盤の失点が響いて連勝は4でストップしたが、逆転CSへ勝負強さが際立つルーキーの存在が心強い。
やはり頼りになる。長期ロードを終え、聖地に戻っても勢いは止まらない。高山のバットがこの夜もさえた。「(結果が出て)よかったです」。劣勢をはね返せず連勝は止まったが、際立つ勝負強さで虎党を沸かせた。
見せ場は5点ビハインドの五回2死一、三塁。1ボール1ストライクからの3球目、デイビーズの内寄りに甘く入った144キロ直球をフルスイングした。振り抜いた打球は右翼線を転々。二塁を回るとスピードを緩めず、一気に三塁まで到達。プロ4本目の三塁打で走者2人を本塁に迎え入れた。
三塁で高代ヘッドコーチに肩をポンポンとたたかれると、少しだけほおを緩めた。直後の福留の適時内野安打で生還。「内角を狙った?そういうのはないです。内角を張っているというよりも、ボールをしっかりと捉えられるように意識していた」。慢心、浮かれた様子はない。一言一言に力を込めた。
安打だけではない。四回と九回は四球を選び、チャンスメーク。際どいボールを見極めた2打席は「なんとか塁に出て(福留)孝介さんにつなごうと思っていた。その気持ちが良かったのかな」。快音は五回のみだったが、確かな手応えを感じている。
これで自身4試合連続安打、3試合連続打点。得点圏打率・393はリーグ1位をキープしている。20日・巨人戦(東京ドーム)から6試合連続で「3番・左翼」でスタメン出場。この間、23打数10安打、打率・435、1本塁打、9打点という好成績を残す。前日まで横浜でナイターを戦っていたが、早出練習前には甲子園室内で体を動かした。大量の汗をタオルで拭いながら、グラウンド入り。入念な準備が高いパフォーマンスを支えている。
片岡打撃コーチが「バットの出方がよくなった。内角の対応ができてきた」と目を細めれば、前を打つ北條は「高山さんがなんとかしてくれるんで、つなごうと思っている」と話す。チームメートからの高い信頼は、結果を積み重ねてきた証しでもある。
Aクラスを争う3位・DeNAが勝利したため、ゲーム差は1・5に広がった。5位・ヤクルトも1ゲーム差に迫る。残り23試合は負けられない戦いが続く。とどまるところを知らない背番号9が、逆転CSへの切り札になる。