原口V2点二塁打で逆転脱出!金本阪神 行くぞ奇跡のCS進出
「阪神3-1DeNA」(4日、甲子園球場)
まだCS進出はあきらめない!0-1の八回、阪神は高山俊外野手(23)の中前適時打で同点とし、なお2死一、二塁で原口文仁捕手(24)が左越えの2点適時二塁打を放ち、勝負を決めた。チームの連敗は7でストップ。甲子園での勝利は、7月31日の中日戦以来35日ぶり。久しぶりに心地よい六甲おろしが聖地に響き渡った。
連敗地獄からチームを救ったのは原口のバットだった。1点を追う八回、高山の適時打で同点として、なお2死一、二塁。代わったばかりの3番手・須田の速球を捉えた。1ボールからの2球目、144キロ直球を振り抜くと、低いライナー性の打球が左翼・関根の頭上を越えていった。
極限まで高めた集中力が勝ち越し打を生んだ。1球目の前、二走・上本がけん制球で帰塁時に負傷するアクシデントが発生し、しばらく中断。「集中した方が勝つなと自分の中で思っていた」と、余計なことを一切考えず、冷静にプレー再開を待った。「本当に集中できたのがいい結果につながった」と“勝因”を挙げた。
帝京の前田三夫監督は教え子を「オーラ、インスピレーションというか、他の高校生とは違う雰囲気があった」という。厳しい言葉を浴びせたことも多かったが「常に冷静沈着でどっしりとした重さを感じていた」といい、そして「何かやってくれそうなオーラがありました」と振り返る。
7年目にしてシンデレラストーリーを歩んできたが、夏場に打撃の調子を落とし、スタメンから外れる機会が増えた。8月31日には打率3割を切った。原口はフォーム修正に取り組み、トップを作るタイミングを早くした。
変化に気づいたのが金本監督で「今日、ちょっとあれっ?という。変わったかなという。打撃も波があるので、打つ体勢が早かったので、あれだったら見極めができるかな」と説明。3試合ぶりにスタメンに戻すと殊勲打を含む3安打。7月28日・ヤクルト戦(甲子園)以来、今季6度目の猛打賞という結果で応えた。
原口は「だいぶ止まっていたので、修正しようとしていたけど、なかなかうまくいかなかった」と苦悩を振り返る。ようやく前日から手応えを感じ、「出場できたときに何とかしようという思いで準備をしていた。今日こういう結果が出て本当によかった」と安どの表情につながった。
チームの連敗を7で止め、甲子園では7月31日・中日戦以来となる勝利の六甲おろしが鳴り響いた。「ファンの人が喜んでくれることが僕たちのやりがいにもなる。僕たちが勝てるようにチーム一丸やっていきたい」。何かやってくれそうな男。残り16試合、背番号94がチームに一つでも多くの白星をもたらす。