岩貞 気迫8回1失点で逆転呼んだ!25歳誕生日の“前祝い”6勝目

 「阪神3-1DeNA」(4日、甲子園球場)

 25歳のバースデーを前に、最高のプレゼントを贈られた。八回、高山、原口の適時打で一気に逆転。粘投した阪神・岩貞祐太投手に、勝利の女神がほほ笑んだ。

 「(二回の)あのホームランが先制点だったので後悔してしまったんですけど、その後切り替えてうまく原口がリードしてくれたので、思い切っていくことができました」

 二回、先頭ロペスにチェンジアップを左翼席へ運ばれた。連敗中のチームにとって痛恨の先制被弾。ベンチに戻ると、香田投手コーチが目の前に立った。

 「投げるボールで何をしたいのか、明確にしよう。ファウルにしたいのか、詰まらせたいのか…。意図を持って投げよう」

 この言葉で初心に帰ったという。三回以降は春先のような岩貞らしい投球を展開。直球は威力があり、スライダー、シュート、チェンジアップなど多彩な変化球もさえ渡った。

 昨秋。みやざき・フェニックスリーグを終えた岩貞は、3年目のシーズンに思いをはせていた。目標はもちろん、先発ローテ入り。一方で、柔軟な思考も持ち合わせていた。

 「今年、中継ぎもやらせてもらって、自分に合っているのかもしれないと思いました」

 岩貞の最大の長所は全力投球。1イニングを全力で抑えるリリーフというポジションは魅力的に映った。それまでプロ2年間わずか2勝。来季こそ1軍で投げたいという、覚悟の表れでもあった。

 8回3安打1失点で8月2日DeNA戦以来の6勝目。規定投球回まで14回2/3に迫った。あと3試合ほどの登板予定で射程圏。やっぱり、先発が天職だ。

 「球数もすごく少なくてテンポも良くて。100球ぐらいですかね、八回終わって。テンポも良くて。ナイスピッチングです。岩貞がずっと1点で抑えてくれたので、逆転につながったと思います」

 金本監督も迷わず、ヒーローに挙げた。5日は25歳バースデー。「いい形で24歳を締めくくることができて良かった。25歳も新たに頑張っていきたいです」。岩貞は照れくさそうに決意表明した。超変革の申し子は左のエースへ羽ばたいていく。

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