高山、記録ラッシュへ「1日1本」 田淵まで1打点、坪井まで16安打

 阪神・高山俊外野手(23)が田淵超えを視界に捉えた。5日、甲子園で行われた指名練習に参加。残り16試合は記録ラッシュに期待がかかる。田淵幸一の球団新人2位となる56打点まであと1。さらに、1日1安打で坪井智哉の球団新人安打数1位となる135本に手が届く。リーグトップの得点圏打率・389を誇る黄金ルーキーがロングスパートをかける。

 高山らしい鋭い打球が雨上がりの甲子園に映える。北條、中谷らと並んだフリー打撃。蒸し暑い空気を切り裂く放物線が好調ぶりを物語っていた。

 「試合がなくても、試合前と同じ気持ちでやっていました。変わらずいい状態だと思います。巨人戦は違う?お客さんの雰囲気はそう感じます」

 6日からの巨人戦へ向けて、頼もしすぎる心意気だ。残り16試合は記録ラッシュに期待がかかる。まず視界に捉えたのが、往年のホームランアーチスト・田淵の記録だ。球団新人2位の56打点まであと1打点。早ければ6日での達成も現実味を帯びる。ヒットメーカーながら、ここまで打点を量産できる理由は、新人離れした勝負強さにほかならない。

 得点圏打率・389はリーグ1位。首位打者の巨人・坂本、本塁打トップのDeNA・筒香、打点トップの広島・新井、2年連続トリプルスリー目前のヤクルト・山田らビッグネームをしのぎ、堂々とトップに君臨する。

 連敗をストップさせた4日・DeNA戦(甲子園)でも、1点を追う八回1死二、三塁の好機に中堅・桑原のグラブをはじく同点打。冷静さだけでなく、しぶとさも兼ね備えている。

 さらに「1日1安打」で球団新人安打トップとなる坪井の135本に手が届く。現在の119安打は、吉田義男に並ぶ球団歴代4位タイ。また、猛打賞12回はプロ野球新人3位タイで、同14回でトップの巨人・長嶋茂雄も射程内だ。ただ、個人記録よりチームの勝利が最優先。次々と歴代新人記録を塗り替えても信念はぶれない。

 「記録の話だけじゃなくて、1日1本打っていくことがチームにとっていいことだと思うので。その結果じゃないですか。あと1本とかになると違うんでしょうけど、まだ先の話なので」

 CS進出への道のりは極めて厳しい状況だが、ルーキーの心は折れていない。「1試合1試合が大事になってくる。巨人戦もそうですけど、これからの試合数を考えても、もう負けられない」と落ち着き払って言った。巨人3連戦の先発はエース・菅野、田口、内海と虎の天敵がズラリ。難敵を攻略し、歴史の扉をこじ開けていく。

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