金本監督&掛布2軍監督が「育成会談」宮崎行脚で若虎見極め

 阪神・金本知憲監督(48)がレギュラーシーズン終了後、宮崎県内で開催される教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」を視察することが13日、分かった。チームを率いる掛布雅之2軍監督(61)とは同地で育成会談を行う予定で、来季へ向けた新戦力発掘の場にもなる。球団は現在、新外国人、FAなど来季へ向けた補強準備を進めているが、金本監督が就任当初から掲げる生え抜き育成のコンセプトは不変だ。

 レギュラーシーズン終了後、金本-掛布の育成会談が宮崎で行われる。金本監督が10月3日に開幕する「みやざきフェニックス・リーグ」を視察することが分かった。出発日、滞在期間など旅程は未定だが、複数回に分けて大阪-宮崎間を往復する可能性もあるという。

 目的は有望な戦力の見定めと、ファーム現場との対話。1シーズンを通して浮き彫りになった課題と向き合いながら、掛布2軍監督とともに、新しいシーズンに向けた青写真を描く出張になる。

 球団は新戦力の補強へ着々と準備を整えている。野手、投手ともに不可欠なピースを精査し、新外国人、FAの戦略を練っているが、前時代的な大補強によるチーム強化が目的ではない。主軸と成り得る選手の補強は、生え抜きの育成をバックアップするための手段でもあり、来季も有望な若手の起用を主眼に置くスタンスに変わりはない。だからこそ、将来的にチームの根幹をなすファームの素材を自らの目で確認する作業は、今オフの一大テーマになるのだ。

 この日、甲子園で全体練習に参加した金本監督は残り11試合について、あくまでCS狙いの戦いにこだわる姿勢を見せた。来季を見据えれば経験の浅いメンバーにシフトチェンジする選択肢もあるが、「いや、普段通り勝つためにやるだけ」と即答した。

 2軍首脳によれば、金本監督が「(1軍で)見てみたい」と期待するドラフト4位・望月(横浜創学館)の昇格も今のところ予定はないという。今季は数度鳴尾浜に足を運び、2軍戦力を視察してきた指揮官だが、個々のポテンシャルをじっくりと見極める時間はなかった。それだけに、宮崎での視察は念願の機会になるはずだ。

 「残り11試合でどれぐらいのものを見せてくれるかで来年に対する期待感とか、差別化もされていく。それはよく分かってもらいたい。最後の最後まで勝負。この選手は来年はまだ使えそうにないとか判断されていく。あと2年、あと3年かかるなとか、これは一生無理だなとか…そう見られる11試合。投手も一緒ですよ」

 1軍でしのぎを削る北條、中谷、高山、板山…。そして、若手投手陣にも向けられた金本監督のサバイバル指令は非情にも映る。レギュラーシーズンを終え、1軍から宮崎行きを告げられる選手にとっても、南国の教育リーグはひとときも気の抜けない競争舞台になる。17年シーズンへ向けた振り落としの第1ステージへ金本監督が向かう。掛布監督との会談も熱を帯びるはずだ。

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