藤浪喜べぬ160キロ 史上6人目大台も立ち上がり失点

1回、鈴木(手前)への3球目で自己最速の160キロをマークした藤浪
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 「阪神4-6広島」(14日、甲子園球場)

 阪神の藤浪晋太郎投手(22)が自己最速の160キロをマークした。一回、広島の鈴木への3球目にたたき出した。日本選手で160キロ以上を記録したのは、ヤクルトの由規、日本ハムの大谷に次いで3人目。ただ試合は、自らに勝敗は付かなかったが逆転負け。来季は160キロの剛速球を武器に、優勝に導いてくれ!

 藤浪が新境地を切り開いた。初回、1死満塁。5番鈴木への3球目だ。初球の自己最速159キロを更新する160キロを叩きだした。外角低めへボール球になったが、球団史上初の大台到達に、甲子園がざわついた。

 「引っかけた球ですし、(スピード)ガンが出たからと言って、抑えられるわけではない。球速より球質だと思うので。160キロうんぬん別にして、フォーム(の微調整)をいろいろやっている中で押し込める感覚はあったので大事にしたい」

 試合後、球速に興味は示さなかったが、代わりに、確かな手応えを明かした。この日は投球フォームをマイナーチェンジ。「上から叩くのもそうですけど、できるだけリリース(ポイント)を前にして角度というかしっかりバッターとの距離を詰めた」という。初回、六回はそれが裏目に出た形だ。先頭四球から失点し、藤浪も「余計な四球を出したところから失点をしてしまった。それが今日のすべてだった」と反省。一方で、二回から五回までの4イニングは無安打無得点に封じた。「打者を押し込む」という課題はクリアできた。

 160キロ到達へ予兆はあった。今季はまさかの6勝11敗。4年連続2桁勝利は幻に終わり、首脳陣、ファンの期待を裏切ってしまった。161球の懲罰続投や自己最短1回KO…。白星に恵まれず、つらい日々を過ごすが、決して無駄な時間にはしなかった。昨季後半に痛めた右肩の不安が軽減したのか、練習中のキャッチボールではキレあるボールが増え始めた。背筋をピンと伸ばし、丁寧に相手の胸元へ、きれいな球筋のボールを投じる。それによってリリースポイントが安定。後方フェンスに直撃するような暴投も、めっきり減少した。金村投手コーチは「練習に取り組む姿勢、キャッチボールから意識が変わったと思う」と太鼓判。かつての暴れ馬スタイルには、もう戻らない。制球力を磨き、さらに成長するため試練の1年を乗り越えていく。

 160キロはプロ野球史上6人目、日本投手では由規(ヤクルト)、大谷(日本ハム)に次いで3人目だ。13日には同級生の大谷が日本最速164キロに到達したばかり。球質はもちろん、球速も藤浪の進化を証明している。

 6回2/3を投げ4安打3失点(自責2点)。七回2死二塁で降板を余儀なくされ、白星はまたもお預けに。ただ直球でグイグイ押し込むスタイルは、来季への希望を抱かせた。

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