球児、CS消滅にざんげ「責任を感じています」

 「阪神3-6DeNA」(17日、甲子園球場)

 盛り上がりに欠ける登場シーンだ。ファンが口ずさむおなじみの一曲にも、満員のスタンドはわずかに揺れただけ。阪神のCS進出が完全消滅したこの日、藤川球児投手がマウンドに上がったのは、2点ビハインドの展開だった。

 「責任を感じています。申し訳ない。その一言です」

 七回の1イニングを3者連続三振。9日ぶりの登板で、火の玉ストレートは復活していた。しかし、時すでに遅し。唯一の希望が断たれ、試合後、球児はファンへざんげした。

 苦しい1年だった。開幕は先発で迎えたが、結果を残せず、リリーフに転向。随所に球児らしさも見せたが、好調は長く続かない。ここ最近もリリーフ失敗が目立ち、セットアッパーから再び配置転換されていた。

 「疲労?初めてのことなので。先発、中継ぎ、クローザー、中継ぎか…。いい人生勉強になっています」

 試合前、自身の現状についてそう語った。43試合の登板で5勝6敗、10ホールド、3セーブ、防御率4・60。1年間でさまざま役割を担う難しさもあったはず。人知れず、苦悩もあっただろう。それでも現実を受け入れ、前向きに歩んできた。

 ただ、チームとして勝利の方程式を確立できなかったのは大誤算だ。この1年、ブルペンは目まぐるしく、再編を余儀なくされた。守護神マテオは3月31日の3イニング続投が影響したのか、精彩を欠く期間もあり、セットアッパー福原は4月20日に2軍降格。藤川やドリスらでカバーしたが、不安定な状況は変えられなかった。

 「七、八、九回、そこで逆転されるケースが今年何回かあって、そこを投げる投手がいなかったという…今年1年の課題だと思います」

 14日の試合後、金本監督が口にした言葉がすべてを物語る。残り7試合。香田投手コーチは「試合をやっているからにはむちゃくちゃなことはできない」と言う。それでも来年へ、課題は持ち越したくない。超変革の2年目へつながる、希望を見つけたい。

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