岩貞8勝目 あっぱれG斬りでつかんだ初規定投球回

 「阪神4-1巨人」(19日、甲子園球場)

 秋風に吹かれ、阪神・岩貞が堂々たるマウンドさばきを披露した。六回、無死一塁。長野を投ゴロ併殺に打ち取り、シーズン143イニングに到達。初の規定投球回をつかみ、先発投手の勲章を手にした。

 「先発している以上、達成しなければいけない数字だと思っていました。自力でまわったというより、良くないときもチャンスをいただいたので。自分で達成したという気持ちはないです」

 岩貞らしい控えめな感想だったが、ゲームでは躍動感たっぷり。立ち上がりから思いきり腕を振り、バッタバッタと三振を奪った。三回まで計6奪三振。六、八回は先頭を許したが、いずれも併殺でピンチの芽を摘んだ。8回を5安打1失点。これで3連勝だ。8勝目を挙げ、自身の借金も1つまで減らした。

 シーズン序盤の我慢が白星を呼ぶ。前半戦はなかなか打線の援護に恵まれず、白星も伸びなかった。それでも「それは仕方ない。後半戦は打ってくれると信じています」とグッとこらえた。本番のベストパフォーマンスにつなげるため、何より重視したのは準備だ。試合前練習では2度キャッチボールを行うこともある。登板2日前のブルペンでは「バラバラのフォームで投げたくない」とさらに入念にフォーム固め。日頃の地道な努力が結果として表れ始めた。

 「それは頭になかった。そうなんだ。1年ずっとローテを守っているから、それはとっくにクリアしているもんだと、いっているもんだと思ったけど」

 試合後、規定投球回到達を知った金本監督は驚きの表情だ。左腕のポテンシャルを思えば通過点に過ぎない。来季はローテの軸として計算している。指揮官は「なってもらわないと」と期待を込めた。

 巨人戦は3戦2勝、防御率0・75。大舞台での強心臓を発揮し、すっかりGキラーだ。次回は25日・中日戦(ナゴヤドーム)に向かう。超変革1年目に、6位はゴメンだ。頼れる左腕が最下位危機を救う。

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