藤浪再生プラン判明 秋季キャンプはキャッチボールのみで制球力アップ
超変革2年目へ向けて、阪神・藤浪晋太郎投手(22)の再生プランが判明した。21日、金村投手コーチが一端を明かした。今季ここまで6勝11敗とまさかの不振。秋季キャンプでは右肩の疲労を癒やしつつ、キャッチボールだけを行う計画だ。新フォームの感覚を体に染みこませ、課題の制球力を身につけていく。藤浪はこの日、先発する22日・広島戦(マツダ)へ向け、甲子園室内練習場で調整した。
来季は超変革の真価が問われる1年だ。最下位争いの今季から、上位浮上へは藤浪の復活は欠かせない。今季はここまで、6勝11敗とまさかの不振。エースをどう立て直すのか-。広島へ向かう新神戸駅で金村投手コーチが「再生プラン」の一端を明かした。
「僕は秋季キャンプはキャッチボールだけでいいと思う。ピッチングは今シーズンこれだけ投げているから。ピッチング、野球の基本はキャッチボールだから、そこをしっかり意識高くやってくれれば、おのずとコントロールも良くなる」
今季はマイナス面ばかりクローズアップされるが、3年連続で規定投球回に到達。1年間ローテを守り、24試合の登板で154イニングを投げた。これは堂々のリーグ4位だ。昨季は199イニングを消化。さらに今年は161球の懲罰続投もあった。蓄積疲労に加えて、ダメージは相当なものと考えられる。
10月下旬スタートの秋季キャンプでは右肩の疲労を癒やしつつ、キャッチボールで復活の道を探っていく。直球だけでなく、変化球も交えて、感覚を養う方向だ。金村コーチは「今、いろいろフォーム的に変えて、ここ数試合はすごくいい投げ方をしている。技術的にはこのまま続けていけば、というぐらい良くなっている」と太鼓判を押す。
前回登板の14日・広島戦(甲子園)は7回途中3失点。6四球と制球を乱したシーンもあったが、150キロ超の直球を連発。これまでの自己最速を2キロ更新する160キロもマークした。大台到達は日本投手3人目。改めて、ポテンシャルの高さを示した形だ。
藤浪本人は試合後、「球速より球質だと思う」と160キロには興味を示さなかったが、「フォームをいろいろやっている中で、押し込める感覚はあったので大事にしたい」と収穫を明かした。新フォームについても「上から叩くのもそうですけど、できるだけリリース(ポイント)を前にして、角度というかしっかりバッターとの距離を詰めた」と、具体的に説明していた。
それを確かめる意味でも22日・広島戦は重要なマウンドとなる。21日は甲子園の室内練習場で調整。チームのCS進出は消滅したが、藤浪は「チームの勝利とかやるべきことをやりたい。フォームなり課題なり、いろいろやっていきたいです。結果も内容も充実した試合にできればいい」と力を込めた。
試行錯誤の末、光は見えつつある。来季へ向けて復活、再生というよりもむしろ、進化の道を歩んでいく。