高山134安打 球団新人記録へあと1 「ファンを喜ばせるプレーを」

 「中日1-4阪神」(25日、ナゴヤドーム)

 カウントダウンは最終局面を迎えた。初回に放った投手強襲安打で、阪神ドラフト1位・高山俊外野手(明大)の今季通算安打は134安打となった。98年に坪井智哉が打ち立てた135安打の、あと「1」。それでも冷静さを失うことはない。王手をかけて臨むラスト3戦は、いずれも本拠地・甲子園だ。

 「1年間ずっと1軍にいさせてもらって、(27日・ヤクルト戦から)甲子園での残り3試合なので。少しでも多くのファンを喜ばせられるような、そういうプレーができればいいなと思います」

 プロ野球選手として過ごした1年目は、応援してくれるファンと過ごした1年だった。感謝の気持ちを、自慢のバットで表現したい。この日も3番打者として、打線の軸として懸命に働いた。勝つために、際どいボール球もしっかり見極めた。

 五回、上本の3点二塁打で先制した直後。高山は内、外角のコースを完全に見切り、ストレートの四球を選んだ。七回は、2死二塁で5番手・岩瀬の内角直球を見送って再び四球。続く福留の中前適時打を呼び込んだ。

 「昨日(24日)は選べなかった四球を今日はチャンスで取れましたし。その結果、孝介さんが打ってくれたので、昨日よりは良かったところかなと思います」

 3試合ぶりに音なしだった前日の試合を反省し、それを生かした背番号9。58年の長嶋茂雄が記録した猛打賞14度の新人記録まであと「1」。50年の徳網茂の球団新人記録69打点までは、残り「5」と迫る。次代の猛虎を背負う逸材に、ファンも大注目だ。

 「押さないでください。道を空けてください。お願いします!」

 試合後、帰阪するルーキーを一目見ようと名古屋駅には多くの虎党が集結した。球団関係者が懸命に声をかけるが、高山を囲むファンは離れようとしない。期待感は日増しに高まる。新幹線に乗り込むまで、黒山の人だかりが消えることはなかった。

 新記録はもうすぐそこ。新時代の主役が、秋風吹く甲子園で歴史を変える。

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