青柳2桁いける!掛布2軍監督も太鼓判 飛躍の2年目へ5回1安打0封無四球
「フェニックスリーグ、阪神6-0LGツインズ」(6日、アイビースタジアム)
阪神・青柳晃洋投手(22)が、「みやざきフェニックス・リーグ」の韓国・LG戦に先発し、5回を1安打7奪三振無失点と好投した。5日のシーズン終了報告後に金本知憲監督(48)が来季2桁勝利を期待した右腕に対し、掛布雅之2軍監督(61)は「2桁もいける」と太鼓判。11月の台湾ウインターリーグへの参加も判明した来季の開幕ローテ候補が、飛躍の2年目へ大きな一歩を踏み出した。
青柳がマウンド上を完全に支配した。韓国・LG打線を完璧に封じ込め、納得の表情で三塁ベンチへと戻る。許したヒットはボテボテの内野安打1本のみで、無四球と課題のコントロールも安定。進化を示した56球に掛布2軍監督も表情を緩め、太鼓判を押した。
「少し落ち着いてきたというか、体のバランスが良くなってきたのかもしれない。これだけストライクが取れれば(相手を)リードできるし、2桁もいけるんじゃないの」
賛辞の言葉が次々に口を突いた。5日に行われたシーズン終了報告後の会見で金本監督は「来季2桁くらいはいってくれるのではないかと」と右腕に高い期待を寄せたが、この日のマウンドは、確かに飛躍への可能性を感じさせた。
初回から4者連続三振で圧倒し、真っすぐとスライダーのコンビネーションで終始、的を絞らせない。四回、先頭打者に三塁内野安打を許したが慌てず、後続をしっかり抑え込んだ。
さらに、今回の登板では投球以外の部分でチャレンジした。高速クイックで走者の二盗を防ぎ、また一塁けん制の投げ方を改良。香田投手コーチから「ホームへ投げるのと同じような感覚で、やってみたら」というアドバイスを受け、実践。体を若干前傾させ、そのまま横手投げでスローを試みた。青柳は「フェニックスではいろいろ試せるので」と充実の表情を浮かべた。
次回はイニング数を延ばす予定で、掛布2軍監督も「100球を超えてからどういうボールを投げるかだよ」と話す。今後も宮崎で2~3試合に登板する見込みで、29日からは秋季キャンプに参加する。そしてこの日、11月26日に台湾で開幕する「ウインターリーグ」に派遣されることが判明した。
昨年同リーグに参加した岩貞は2勝0敗、防御率0・53と堂々の成績を残して最優秀選手賞を獲得した。異国で手応えをつかみ、今季はプロ入り初の2桁勝利を達成。左腕に続けとばかりに、青柳も海外武者修行の旅に出る。
「ストライクゾーンに投げ込めばそんなに打たれないということが今年、分かりました。(2桁は)狙っていきたいと思います。それを目指さない投手はいないですよね」
今季は13試合に登板して4勝5敗、防御率3・29。掛布2軍監督は「こういうタイプの投手は今、いないでしょ?1軍の武器になると思うよ」と期待を込める。素材を磨き続ければ、一級品になる可能性を十分に秘める。足踏みすることなく、ひたすら前へ進み続ける。