岩貞 プロ初勲章も天狗にならない!来季レベルアップでローテ死守「当たり前に」

 セ、パ両リーグは7日、9月の月間最優秀選手(MVP)を発表し、阪神・岩貞祐太投手(25)がプロ3年目で初受賞した。4試合の先発で4勝、防御率0・58と文句なしの成績。岩貞は初の勲章を喜ぶと同時に「天狗(てんぐ)になることなく」と、来季さらなるレベルアップへ気合を込めた。

 おごることは決してない。「天狗になることなく、やっていきながら、ローテを守るのが当たり前になるようにしたい」。自身初となる月間MVP受賞。しかし、いつまでもその余韻には浸れない。岩貞が既に見据えている視線の先にあるものは、チームにとって逆襲を図る来季の戦い。託されるのは2年連続2桁勝利、さらには今季以上の内容だ。

 飛躍の年となったプロ3年目は開幕からローテを守り、自身初の2桁星をマークした。9月は1完封を含む無傷の4勝で防御率0・58。今季最終戦となった10月1日・巨人戦でも白星を挙げ、怒濤(どとう)の5連勝でフィニッシュした。「賞があるのは知っていたけど全く意識はしなかった。チームが1つでも上の順位に行けるようにと」。チームの勝利に貢献したい一心でつかんだ勲章だった。

 夏場には自身7戦白星なしで5連敗と苦しんだ時期もあった。そんな時に気にかけてくれたのが虎投の先輩たちだ。

 「球児さんには食事に連れて行ってもらって、『1年間変化をせずに続けることも必要だから、春先やっていたことを見直して、やってみろ』と教えていただいた。能見さんからは結果が出ていない時に『逃げてるな~』とぼそっと言われた」

 食事の席で親身になってアドバイスをくれた藤川と、冗談っぽく気持ちをほぐしてくれた能見らの心遣いに感謝。そんな周囲からの助言を受けて着手したのは、走者を背負って痛打されることを恐れる“弱気な思考”の改善だった。

 「春先は“ストライクゾーンに行けばいいや”ぐらいで投げていた」。丁寧にコーナーを突こうとする投球を見直しながら、初心に立ち帰ることで再び自身の状態を上昇気流に乗せた。

 今季の活躍は序章に過ぎない。阪神の選手での月間MVP受賞は今年5月の原口以来。投手では14年7月の岩田までさかのぼる。「安定して結果を残さないと、信頼を得られない」。この日の勲章を胸に“覚醒左腕”がさらなる高みへ挑む。

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