藤浪、虎斬りで侍ジャパンに弾みつける シート打撃&紅白戦登板も
阪神・藤浪晋太郎投手(22)が28日、秋季キャンプ地の高知に入った。早ければ30日に行われるタイブレーク方式のシート打撃に登板し、さらに11月4日の紅白戦でもマウンドに上がる可能性がある。実戦でのテーマはWBC球への対応と実戦勘を取り戻すこと。安芸で手応えをつかみ、侍ジャパンへ合流する。
いつものように報道陣に囲まれ、出発ゲートまで歩いた。修学旅行生でごった返す伊丹空港。ビシッとスーツに身を包んだ藤浪が、4度目の秋季キャンプへ決意を新たにした。
「実戦が近いので、やることをしっかりやりつつ、実戦で投げられたらいいです」
今年の秋季キャンプは例年と違う。今後は11月5日に侍ジャパンに合流予定。10日から13日まで、オランダ、メキシコとの強化試合に臨む。藤浪にとっては来年3月のWBC出場へ向けた重要なアピールの場。代表生き残りをかけて、結果、内容ともに求める覚悟だ。
甲子園での秋季練習ではブルペンで投球を重ね、少しずつ状態を上げてきた。安芸では総仕上げに突入する。早ければ第1クールの30日、タイブレーク方式のシート打撃に登板する。今キャンプ最大のテーマは、「滑りやすい」というWBC球への対応。直球に宝刀・カットボールなど変化球を交えて、指先の感覚を研ぎ澄ましていく。
マウンドでは打者相手に、実戦感覚も取り戻す。シーズン最後の登板は9月30日。約1カ月離れた実戦で勝負勘など、ブルペンだけでは養えない部分も、補充するつもりだ。
首脳陣もペースアップを後押しする。香田投手コーチは「WBCのボールで実際にバッターに投げることも、感覚の中で必要になってくるんじゃないか。本人も2回(実戦登板の)チャンスがあれば、と言っていた」と説明した。右腕の状態次第では11月4日の紅白戦にも登板する可能性がある。
「(ボールなど)ブルペンと実戦で合わしていくしかないので。肩はできているので、しっかりやりたいです」
今季は7勝11敗も、最後の2試合で復調を印象づけた。香田コーチは「ブルペンでも、シーズンの終わり頃の状態でいいボールを投げている。フォームのバランスもいい」と太鼓判を押す。いよいよラストスパートだ。
秋季キャンプ中の実戦登板はプロ入り初めて。チームメートたちは“藤浪撃ち”を誓って本気で向かってくる。味方殺しで弾みをつけ、力強く侍ジャパンへ向かう。