青柳よ、全部クイックで!金本監督が絶賛「球威落ちない。打ちにくい」
「阪神秋季キャンプ」(30日、安芸)
阪神・金本知憲監督(48)が、ブルペンを視察。青柳晃洋投手(22)のクイックの修正に太鼓判を押した上で、走者がいない状況でのクイックによる投球を求めた。これは相手打者のタイミングを外すことが狙いの一つで、投球の幅も広がってくる。青柳自身は、クイックの修正と並行してカーブ習得に励んでいるが、監督からの「指令」にも応える構えだ。
連日足を運んだブルペンで、力強いボールを投じる青柳の姿が目に留まった。課題を克服しつつあることが頼もしく、だからこそ、そこを生かした投球にも期待を寄せる。金本監督が、青柳に大胆な「指令」を出した。
「昨日に続き今日も良かった。クイックの方がいい球いってるんじゃない?クイックの方がいいというのはオーバーでもほとんど球威が落ちない。全部クイックで投げたらバッター打ちにくいと思う。(例えば)プレーボールからクイックで」
少し笑みを浮かべたが、決して冗談ではない。今季の課題として、意識的にクイックに取り組ませてきた。クイックに関しては、球威が落ちることが懸念される一つのポイントとなるが、指揮官の目ではそこをクリア。であれば、相手打者のタイミングを外す武器として使えるはずだ。
「(青柳のクイックは)1秒かかってない。ランナーいなくても投げまくったらいい。セットから」
金本監督には、現役時代の記憶が鮮明に残っている。打者としてはタイミングを外されることが嫌なもの。「川上憲伸(元中日)とかもそうやって工夫しとった」。走者がいない状況でもクイックを交えれば、幅も広がり、長いイニングを投げることや対左打者対策にもつながってくる。
この日の青柳はブルペンで56球。その内、「新球」として試すカーブも2球投じた。金本監督の「指令」は、以前に言われていたこともあったため「実戦で練習していきたい」と意欲を見せた。
香田投手コーチも「足の上げ方を少し変えたりできれば3つのタイミングができるかな」と話す。カーブを習得できれば球種は7つ。3つのフォームを使い分けることができれば「21変化」となる。変則右腕が、さらにつかみどころのない投手に変身を遂げそうだ。