柳瀬が入団 背番号66”斉藤和巳魂”で再生だ

 阪神は18日、ソフトバンクを戦力外となった柳瀬明宏投手(33)の獲得を発表した。この日、西宮市の球団事務所で入団会見。年俸1000万円、背番号はホークス時代の先輩・斉藤和巳氏がつけていた「66」に決定した。西宮市で生を受けた右腕が、故郷のマウンドで再生を目指す。

 ユニホームはタテジマになる。ただ、柳瀬が新天地で背負う番号は尊敬する先輩と同じ番号。「和巳さんには連絡しようと思います。早くユニホームを着てみたい」。共に戦った偉大な右腕を思いながら、猛虎の中継ぎ陣の一翼を担う。

 生まれ育った地でもう一花咲かせる。甲子園のある西宮市で生まれ、小学校低学年まで関西で育った。「言葉にできない特別な場所であることは間違いない」。聖地に対して抱く特別なイメージ。幼少時代から憧れたマウンドで故郷に錦を飾るつもりだ。

 一本の電話に救われた。「自分の中で、どういう道を進むのかなという不安と、いろいろ迷っていた中で『まだ野球をする気があるのか』と強い言葉を頂いた」。ソフトバンクから戦力外を受け、途方に暮れた際に届いた猛虎からの連絡。拾ってくれた恩はプレーで返していく。

 まずは、新天地でのプレーに向けて、同世代との“交流”を図る。これまでの交流戦では同級生の新井良や岩田と会話を交わしてきた。「仲良くしてもらえるか不安です」と話した冗談口調が、逆に安心感を漂わせた。

 崖っぷちからつかんだチャンスは必ずモノにする。「野球を諦めなければ、というのが頭によぎった」。一度は引退を覚悟した男が、虎党の前で生まれ変わる。

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