金本監督 糸井よ、自由にやれ “初めての恋人”は束縛しません!

 阪神・金本知憲監督(48)が25日、FA移籍した糸井嘉男外野手(35)の入団会見に同席した。広島からFA移籍した02年当時を回想し、過度の気遣いでストレスを感じた自身と同じ轍(てつ)を踏ませたくない思いを語った。会見では冗談を交え、終始リラックスムードを演出。糸井に「自由人」を容認し、「最低3割」を期待した。

 金本監督は壇上から報道陣を見渡し、14年前の風景を回想していた。初めて縦じまに袖を通し隣に星野監督がいた、あのシーンだ。

 「(糸井のユニホーム姿は)違和感なかったね。俺は(広島の)赤から(阪神の)黒だったから、ものすごく違和感あったけど…」

 自身もFAで阪神に入団し、02年11月に同じホテルの同じ壇上で闘将に帽子をかぶせてもらった。この日、縦じま姿の糸井にチラッと目をやると思ったより似合っているじゃないか。そんなまなざしで笑みを浮かべ、糸井の心情を推し量った。

 「慣れない環境でやるわけですから。僕も非常に繊細な性格をしておりまして。(当時は)多大なる気遣いばっかりしていまして、思うように野球をできなかった部分があるので…。糸井君にはあまり気を使わないように、自分が思うようにやってください、と…」

 移籍した02年当時の「違和感」はユニホームの色合いだけではなかった。メディアの人数が広島時代から倍以上になる環境の変化、関西の気質や新天地での気遣い…。今でさえ豪快なイメージを持たれがちだが、入団当初は「気疲れ」していた。

 だからこそ、熱心に口説き落とした「恋人」に同じ轍(てつ)を踏んでほしくない。

 「これまで、伸び伸びと、いい意味で好きなようにやっていたイメージがあるから、そのままやってくれればいい。自分のペースをしっかり守ることが大事じゃないかな。俺はやっぱり気を使ったからね。繊細だし、気も小さいからさ…」

 そう冗談めかしたが、あながちウソでもない。金本監督は移籍初年度のキャンプを振り返り「誰に話し掛けられてもうれしかった」と振り返ったことがある。自ら窮屈な穴に入り、意見すらできなかった苦い思い出があるからこそ、規律さえ守れば、気ままにやればいいと考える。

 糸井がインタビュアーから成績の目標を聞かれると、隣で咳(せき)払いしてニヤリ。「最低、3割は打ってくれる」。サラッとノルマを課したが「普通にやれば残せる数字」と、余計な重圧をかけたつもりもない。「僕が取りにいった、初めての恋人…ゲットしました」。自由人くらいでちょうどいい。金本監督はラブレターの追伸に、そう添えた。

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