高山、新人王の誓い「優勝したい」亡き祖父に日本一届ける
「NPBアワーズ2016」(28日、グランドプリンスホテル新高輪)
阪神・高山俊外野手(23)が28日、セ・リーグ新人王に輝き、都内のホテルで行われた「NPB AWARDS 2016 supported by リポビタンD」に出席。この日、祖父・龍平さん(享年79)が25日に逝去していたことが球団から発表された。亡き祖父のため、来季はチームをリーグ優勝、日本一に導き、この舞台に戻ってくることを誓った。
来年また、この場所に戻ってくる。超一流選手に囲まれ、高山は向上心をたぎらせた。キリリと表情を引き締めると、壇上でのあいさつに強い決意を込めた。
「(新人王は)一度しかない賞なので、来年からはまた違う形でこの会に呼んでもらえるように頑張ります」
ルーキーイヤーは大学No.1野手の評判通り、新人王を獲得。134試合の出場で打率・275、8本塁打、65打点。勝負強い打撃で、シーズン後半は「3番」を任された。来季は首位打者や最多安打、ベストナインなどのタイトル獲得が期待される。だが、来季は最多安打を狙うか-との問いに首を横に振った。
「全然ないです。改めて優勝したいと思いました」
信念は揺るがない。個人タイトルより、チームの勝利が最優先。それどころか、日本一への思いは強くなるばかりだ。円卓にはリーグ優勝を果たした日本ハム、広島の選手がズラリと並んだ。来季こそ、タテジマでセ・リーグを席巻する。
「去年この日に四藤社長とあいさつしたのを、ここに来た道で思い出しました。1年はすごく早かったです」
思い返せば、昨年の表彰式当日、同じホテルで阪神と仮契約を結んだ。当時は右手有鉤(ゆうこう)骨の手術明け。「本当に1年間野球ができるのか」という不安でいっぱいだったという。キャンプ、オープン戦でアピールを続けると、開幕戦でプロ初打席初安打の鮮烈デビュー。「1打席目で1本出すことは難しいので」と不安を打ち消した。激動の1年を過ごし、精神的にも強くなった。
亡き祖父にも成長を誓う。25日に祖父・龍平さんが胆管がんのため急逝。「大学の時からいつも試合を見に来てくれていた。最多安打の時も来てくれていました」。いつも背中を押してくれた祖父へ、感謝の思いは尽きない。
「新人王の姿は見せられなかったですけど、どこかで見てくれていると思います」。恩返しの続きはグラウンドで果たす。天国へ日本一を届ける。